BtoBマーケティング施策33選|プロセス別に施策の詳細を解説
リードジェネレーション、MA活用/ナーチャリングをはじめとしたBtoBマーケティングに関するご相談はSells upに
業種や企業規模を問わず、これまで約80社を支援してきたSells upが、貴社が描くゴール/成果に向けたBtoBマーケティングを支援いたします。まずは、貴社の目標/理想の状態やリードジェネレーション/ナーチャリングに関するお悩みをお気軽にお知らせください。
BtoBマーケティングを強化したいと考えているが、何から始めれば良いかわからない方や、自社に効果的なマーケティング施策を選定したい方向けに、BtoBマーケティングの全体像と具体的な手法を解説します。
企業が顧客を獲得し、売上を伸ばすためには、戦略立案からリード創出、育成、選定、案件化、LTV改善まで、各プロセスにさまざまな施策があります。SEOやリスティング広告、SNS運用、テレアポなど、実践的な手法を学んで、効率的にBtoBマーケティングを進めましょう。
BtoBマーケティング施策とは
BtoBマーケティング施策とは、企業間取引において顧客を増やし、売上を伸ばすことを目的とした取り組みを指します。
マーケティング戦略の立案にあたり、まず目標を設定します。次に、目標を達成するための指針や計画を決めます。例えば、特定の業界におけるリード創出やリード育成の強化、LTV改善といった目標があります。これらの目標を達成する具体的な手段がマーケティング施策です。例えば、リード創出を目的としたSEOやリスティング広告の活用などが挙げられます。
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BtoBマーケティングにおけるリード獲得からLTV改善までの流れ
企業間取引では、リード獲得から顧客との長期的な関係構築までのプロセスが重要です。以下でその各ステップを詳しく解説します。
1. リード創出(リードジェネレーション)
リード創出とは、自社の製品に関心のある見込み客(リード)を獲得することです。マーケティングプロセスの最初の顧客接点であり、非常に重要なステップです。
リード創出にはさまざまな手法がありますが、一般的には広告が主要な手段のひとつです。具体的な施策は後述しますが、企業は多様な手法で製品の魅力を伝え、リードの関心を引き出します。
成功の鍵となるのは、ターゲット市場の明確化、ユーザーの絞り込み、適切なチャネルの選定です。これにより、効率よくリードを獲得できます。
2. リード育成(リードナーチャリング)
リード育成(リードナーチャリング)とは、前段で獲得したリードに情報提供をして、商談に繋げる活動を意味します。リード創出の段階では、見込み客はまだ自社についての理解が浅く、購入意欲も低い状態です。獲得したリードのうち、「ホットリード」と呼ばれるすぐに商談や契約を考えているリードは全体の約10%に過ぎません。残りの90%は関心を持っているものの、すぐに契約する意向はなく、情報収集段階や比較検討段階にあります。
この90%のリードを放置せず、潜在的なニーズや課題に対して情報提供や提案を行いながら関心度を高めていくことが、リード育成です。具体的な施策としては、メルマガ・シナリオメールの配信、セミナーの開催、ホワイトペーパーの送付などが考えられます。これらの施策を通じて、リードに対して自社の専門知識や成功事例を示しながら、信頼関係を構築していきます。リードの興味関心を引く魅力的なコンテンツを発信し続けます。リードが製品を必要とするタイミングで自社を想起してもらえるようになれば売上につながります。
3. リード選定(リードクオリフィケーション)
リード選定(リードクオリフィケーション)とは、契約確度の高いリードを絞り込み、案件・商談化させるプロセスです。リードナーチャリングの段階では、獲得したリードの約90%が関心はあるものの、まだ商談や契約に至る準備が整っていません。リード選定の目的は、この90%のリードから、契約に結び付きそうな確度の高いリードを見極め、効果的に営業活動を行うことです。
リード選定では、まず既存顧客の共通点を確認します。顧客の業種業態、規模、抱えている課題などで、多くの顧客が該当する要素を抽出して、優先的に営業を行うリードを決めることから始めると良いです。
また、マーケティングオートメーション(MA)ツールによる「スコアリング」を用いることも一般的です。スコアリングとは、リードの行動データや属性情報に基づいて点数を付ける手法です。このスコアが一定の閾値を超えた場合、そのリードをホットリードと定義します。たとえば、料金やお問い合わせフォームのページを何度も見たリードは、興味関心が高まっていると仮説を立てられます。
ホットリードを適切に選定できれば、商談化率・案件化率を改善することができます。購入可能性の高いリードにすぐ連絡することで契約獲得までスムーズに進められ、営業効率が上がります。
4. 案件化・商談化
このステップでは、リード選定によって特定されたホットリードを実際の案件として扱い、商談へと発展させます。ここで重要なのは、ホットリードに至るまでの顧客の状態をなるべく正確に把握し、それに基づいて適切なアプローチを行うことです。
例えば、ホットリードがメルマガ登録をしていたのか、セミナーに参加していたのか、どの製品に興味を示していたか、過去どのようなやり取りをしたのかといった情報は非常に重要です。これらの情報を詳細に把握し、営業担当(フィールドセールス)と共有することで、商談の成功率を高められます。
インサイドセールスが商談・契約までを担当する場合は、自分たちで顧客の動線を把握し、営業トークへの反映が必要です。
5. LTV改善
契約後も顧客との関係を維持し、LTV(Life Time Value、顧客生涯価値)を高めることが重要です。契約後のフォローアップやサポートを通じて顧客との関係を維持・強化してLTVを高めることが、長期的な収益の安定化をもたらし、企業の持続的な成長につながります。
LTV改善には、顧客が製品を継続的に利用し続けるためのフォローアップやサポートが不可欠です。たとえば、定期的なミーティングやアンケートを通じて顧客ニーズを把握し、それに関連した製品を提案したり、既存のサービスを改善したりする方法があります。そのほか、メルマガやニュースレターで製品の最新情報や周辺情報を提供することで、顧客に自社の価値を再確認してもらうことも大事な施策です。
【プロセス別】BtoBマーケティングの主な施策
プロセスごとに適切なマーケティング施策を実行することが重要です。リード創出の段階からLTV改善までの、各プロセスにおける主要な施策を解説します。
リード創出(リードジェネレーション)の段階:14選
SEO(検索エンジン最適化)/コンテンツSEO
SEO(検索エンジン最適化)とは、自社サイトが検索エンジンで上位表示されるようにする施策です。検索エンジン経由のトラフィックを増やし、リードを効率的に獲得できます。
コンテンツSEOは、検索ユーザーの知りたいことや解決したい課題に応えるコンテンツを作成し、自然検索から集客する手法です。例えば、業界の最新トレンドや具体的な問題解決方法を解説する記事を自社サイト(オウンドメディア)に掲載したり、記事を外部メディアに寄稿したりすることで、リードの関心を引きつけます。
検索ボリュームが大きく、契約単価も高いキーワードで上位を達成できれば効果的なリード創出が期待できますが、時間や費用がかかります。そのため、SEOに取り組む際には、ターゲットとするユーザーを絞り込んで、ニッチなキーワードから順番に狙っていくことが早く成果を出すために重要です。特にBtoBでは、客単価の高い製品を販売することが多いため、検索している人が少ないキーワードであっても、それが購買意欲の高そうな人が検索しているキーワードであれば狙う価値があります。
LP(ランディングページ)作成
LP(ランディングページ)とは、
- SEOや広告などで集客したユーザーに資料請求や問い合わせなどの行動を促すための専用ページ
- ユーザーがサイトに訪問したときに最初に閲覧したページ
の2つの意味で使われます。ここでは、1について説明します。LPは、自社の製品の特徴、メリット、仕様などを端的にまとめ、ユーザーにとっての価値を明確に伝える役割を果たします。
LPは、想定する集客方法によって作りわけることが大切です。流入経路ごとにユーザーの心理や情報ニーズは異なるため、それぞれにあわせてLPで主に伝えるメッセージを決めることで成約率を高めることができます。たとえば、SEOやリスティング広告で集客する場合には、流入する検索キーワードによって適切な訴求ポイントが異なります。
1つの製品で解決できる顧客の課題は複数あることが多く、それぞれの課題にあわせたLPを作ることで、成約率(CVR)を高めることができ、集客の費用対効果を改善できます。
ホワイトペーパー
ホワイトペーパーとは、特定のテーマについて顧客の理解を深めるために作成する資料です。詳細な情報や専門的な知識を提供することで、リードに興味を持ってもらうことが目的です。ホワイトペーパーでは製品の紹介ではなく、ノウハウや統計情報など見込み客の役に立ちそうな情報をまとめることが多いです。例えば、システムの導入傾向や選定方法、導入の実態などに関するレポートなどが挙げられます。
作成したホワイトペーパーを、LPやオウンドメディアのページに掲載しておくことで、効果的にリードを獲得することが可能です。また、新規リード獲得だけではなく、既存リードのナーチャリング目的としてもホワイトペーパーは活用できます。最新のホワイトペーパーをメルマガやセミナーで配布したりするなど、多くのユーザーに届けることを心がけましょう。
プレスリリースの発信
自社のキャンペーンや導入事例、新サービスのリリース情報を広く外部に伝えるためにはプレスリリースの発信が効果的です。企業の認知度やブランドイメージ向上に寄与します。
PR TIMESなどの大手のプレスリリース専門サービスに掲載することで、情報が広範囲に拡散し、多くの読者に届く可能性があります。マスメディアや業界ごとの専門メディアなどで記事化してもらうことで、認知を拡大できます。
SEOやリスティング広告などの集客方法はニーズがある程度明確になっている人向けの施策で、対象が限られています。また、あくまでもすでにあるニーズを獲得する施策なので、市場を拡大することはできません。
一方でプレスリリースは情報が拡散されることで、潜在的な顧客層に製品を広めることができます。大きなニュースとして扱ってもらえれば、市場が拡大することもあります。
プレスリリースは工夫次第でものすごく高い費用対効果となりえる一方で、まったく成果がないこともある成果の振れ幅が大きい施策です。短期で成果を出す前提で取り組むのではなく、広報活動の一環として継続的に実施することをおすすめします。
リスティング広告
リスティング広告は、別名検索連動型広告とも呼ばれます。これは、ユーザーが検索エンジンで入力したキーワードに基づいて表示される広告です。製品に関連するキーワードを設定することで、そのキーワードに関心を持つ検索ユーザーにアプローチできる強力な手段です。
関心の度合いを高い見込み客を集客できるのが大きなメリットです。リスティング広告経由の訪問者は興味関心がはっきりしているため、成約率が高い傾向にあります。
一方で、類似の取り組みをしている競合が多く、クリック単価(CPC)が高くなっていることが多く、採算割れしてしまうキーワードもたくさん出てきます。また、リスティング広告では検索する人の総数を増やすことはできないため、予算規模が大きくなればなるほど製品が対応するニーズから離れたキーワードにも出稿することになり、費用対効果が逓減していきます。
リスティング広告を活用する際は、配信設定をこまめに調整することで無駄なコストを削減できます。広告のパフォーマンスデータを分析し、入札額やキーワードの見直しを行うことで、効率的な広告運用が可能です。
リスティング広告を外注する場合、広告費の20%が運用代行費用の相場です。社内に未経験者しかいない場合、外注費用を含めて計算してもROIが改善されるため、利用を検討することを推奨します。
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告とは、Webサイトのさまざまな場所に配置されるバナーやテキストなどの広告です。ディスプレイ広告には画像と文章、あるいは、動画と文書の組み合わせなどのバリエーションがあります。視覚的な要素を活用してメッセージを伝えることでユーザーの注意を引きやすく、短時間で情報を伝えられます。
ディスプレイ広告は、リスティング広告とは異なり、ユーザーが特定のキーワードを検索することなく表示されるため、ニーズが顕在化していない潜在層へのアプローチが可能です。ブランドの認知度を高めたり、特定のキャンペーンを短期間で広めたりするのに非常に効果的です。
ディスプレイ広告はリスティング広告よりもクリック単価は安くなる一方で、成約率(CVR)は大幅に低くなります。そのため、CPAはリスティング広告のほうが良い数値になることが多いです。まずはリスティング広告に優先して予算を投下し、一部の予算をディスプレイに回すという使い方がよくされています。
記事広告
記事広告は、自社の製品を他社のメディアで紹介してもらう形式の広告です。知名度の高いメディアで記事広告の企画が作られていることが多く、そのメディアの権威を借りることで、製品の信頼感を高められます。特に業界専門のWebサイトや業界紙で記事広告を掲載することで、そのメディアの読者に対して効果的にアプローチできます。
専門のライターが執筆することで、製品に関心を持つ潜在層にわかりやすく製品の特長や魅力を届けられます。さらに、Web媒体の記事広告の場合、掲載記事が検索エンジンで上位に表示され、継続的に認知度を高めてくれることがあります。
SNS広告
SNS広告とは、Facebook、X(旧Twitter)、Instagramなどのソーシャルネットワーキングサービス(SNS)に広告を掲載する方法です。SNS広告の大きな特徴は、ユーザーの年齢、性別、興味関心、行動パターンなどのデータを活用して、ターゲットを非常に細かく絞り込める点です。関心を持つ可能性が高いユーザーに限定して広告を表示することで、コンバージョン(CV)につながりやすくなります。
SNSによって、ユーザーの数、年齢層、特徴が異なります。そのため、宣伝する製品がターゲットとするユーザー層と合致するようにSNSを選ぶことが肝心です。
SNSアカウント運用
自社公式もしくは従業員名義のSNSアカウントを作成し、継続的に運用することでリード獲得につなげます。リアルタイムの情報発信が可能となり、既存のフォロワーだけでなく、そのフォロワーのネットワークを通じて新たなユーザーに認知を広げられるメリットがあります。
BtoBマーケティングでは、SNSアカウント運用を通じて、決裁権を有する層への情報発信が有効です。専門的な情報や業界の最新動向を発信することで、ターゲット企業からの信頼を獲得し、商談の機会を創出できます。
また、ウェビナーや商談でつながった見込み客とSNSでつながっておくことで、覚えてもらいやすくなるためナーチャリング施策としても有効です。イベントなどでお会いした方々と名刺代わりにSNSでつながり情報発信を続けることで、なにかニーズが生じた際に想起してもって商談につながることがあります。
しかし、SNS運用にはリスクも伴います。特に不適切な投稿や対応による炎上リスクがあるため、リスク対策は必須です。そのためには、投稿内容についてのポリシーや緊急時の対応策を事前に準備しておくことが重要です。
テレアポ
テレアポは、電話を通じて潜在顧客と直接コンタクトを取る方法で、新規層へのアプローチに向いています。テレアポが成功すればすぐ商談に進めるため、即効性がある営業手段として評価されている一方で、電話でのアプローチに対してネガティブな反応を示す顧客も少なくありません。
特に対象業種を絞っている一部のSaaSなどの製品は、市場全体での顧客数が限られているため、リストがすぐに枯渇してしまうだけではなく、ターゲットとなる業種など属性に闇雲に電話して悪い印象を持たれることは避けなくてはなりません。提供可能な情報を整理して、架電先に良い印象を持ってもらえるような話し方やトークスクリプトを入念に準備して臨みましょう。
テレアポには自社で運用する方法と、外部の専門業者に依頼する方法があります。専門業者は豊富な経験とノウハウを持っているため、効果的なリード獲得が期待できます。ただし、依頼にはコストがかかるため、自社の予算や戦略にあわせて検討することが重要です。
交通・車内広告
電車やタクシーなどの交通機関に広告を出稿する方法です。この手法は、通勤時間などの移動中に多くの潜在ユーザーにリーチできるため、認知拡大に効果的です。特に通勤者は毎日同じ路線を利用することが多いため、繰り返し車内広告に触れることでブランド認知度を急速に高められます。
一方で、オンライン広告のようにクリック数やコンバージョン率を直接追跡できないため、広告の効果を定量的に評価するのが困難です。出稿した地域内で社名やブランド名などを含む検索(指名検索)の回数がどれくらい増えたのかを計測することで間接的に効果を測定する取り組みはありますが、他の要因と明確に効果を切り分けすることはできません。
そのため、広告専用LPもしくはオウンドメディアを作成してQRコードで誘導する、専門の検索キーワードを広告に表示するなど、他のマーケティング施策と組み合わせて活用することをおすすめします。
サイネージ広告
サイネージ広告とは、街中に設置された電子掲示板やデジタルサイネージに広告を出稿する方法です。視覚的にインパクトのある広告を、駅やショッピングモール、繁華街など多くの人が集まる場所で展開できるため、ブランドの認知拡大に効果的です。
交通・車内広告と同様、サイネージ広告の効果測定は難しいという課題があるものの、近年のサイネージ広告は技術の進化により、効果測定の精度が向上しています。例えば、AIカメラを搭載することで、広告を視聴したユーザーの年齢層や性別を把握することが可能になりました。また、二次元バーコードを表示させることで、広告から直接Webサイトにアクセスしたユーザーの行動を追跡することもできます。
テレビ・ラジオ広告
テレビやラジオ広告は、従来のマス広告として広く利用されている手法です。これらを利用することで、広範な視聴者や聴取者に対してブランドメッセージを伝えられます。特にテレビ広告は強力なインパクトがあります。全国的なキャンペーンや大規模なプロモーションなど、ここぞという場面で利用することで、多大な効果を発揮します。
しかし、高額な広告費用がかかる点や、交通・車内広告と同様、効果測定の難しさがデメリットです。オンライン広告のように詳細なデータを取得できないため、広告のパフォーマンスを正確に評価することが困難です。交通広告の項でも説明しましたが、指名検索の増加とそれに比例した売上の伸びなどで効果をある程度測定することができます。
オフラインDM
対象企業を絞り込んで決裁権者の名前を調べて個別に手紙を送る、展示会などに参加し名刺交換をした先にオフラインDMを送付するなどの方法があります。郵送、FAXなどの手段があります。展示会で、顧客からある程度の課題などをヒアリングできている場合は、お礼状とパンフレットを送付することが有効です。
オフラインDMはデジタルに比べて目立ちやすく、顧客の手元に物理的な資料が残るため、リードの育成に効果的です。また、直接送付することで、不特定多数に配布するチラシと比較して読んでもらえる確率が高まります。DMを送ってから適切なタイミングで電話によりフォローアップすることで、商談へとつなげるチャンスを広げられます。
リード育成(リードナーチャリング)の段階:5選
メルマガ配信
ウェビナーやホワイトペーパーで獲得したリードへの定期的なメルマガ配信は、リード育成に有効な手段のひとつです。リードの興味関心や課題はウェビナーやホワイトペーパーのコンテンツである程度判明しているため、それにあわせてメルマガの発信内容をカスタマイズすることで、開封率を高めることができます。
ただし、コンテンツが有益ではない場合には解除につながるため、配信コンテンツの品質と頻度には細心の注意を払う必要があります。送付回数が多すぎると登録解除につながるとよく言われていますが、配信頻度を増やすと商談数が増えることが多いため、月1回、週1回など少ない回数しか配信していない場合には、増やすことを検討してください。
シナリオメール・ステップメールの配信
シナリオメール・ステップメールの配信は、ユーザーの流入経路に応じて一連のメールを自動で送信し、リード育成を行う手法です。シナリオメールは、特定の条件がトリガーとなるメールのことです。例えば、ユーザーが特定のページを訪れた際や、会員登録・資料請求などの特定の行動を取った際に送信されます。
ステップメールはあらかじめ設定されたタイミングで順次送信されるメールです。例えば、会員登録してから5日後と10日後にメールを送るといった具合に、定期的に情報を提供する際に有効です。
顧客リストを分け、複数のシナリオメールやステップメールを並行して走らせることで、効果的なリード育成を実現できます。そのためには、顧客リストのボリューム感を把握し、適切なメール配信計画を立てることが重要です。
リターゲティング広告
リターゲティング広告は、サイトに一度でも訪れた顧客に対して、広告を表示させる方法です。
一度の訪問でコンバージョンにつながらなかったユーザーを対象にリターゲティング広告を利用することで接触回数を増やし、自社の製品を再認識させることが可能です。
コンバージョン済みのユーザーに対してもリターゲティング広告を配信することで、顧客が再度自社サイトを訪れる可能性が高まり商談の増加につながります。
セミナー開催
製品の資料請求やホワイトペーパーダウンロードを行った顧客に対して、メールでセミナーを案内してリード育成できます。30~60分程度のまとまった時間で製品について詳しく説明する機会を作れるため、商談につながりやすい施策です。
商品のデモンストレーションや事例紹介、Q&Aセッションを通じて、顧客の疑問を解消し、信頼関係を構築できます。また、セミナー終了後にフォローアップのメールを送ることで、顧客の関心を持続させ、商談につなげられます。
コロナ禍を経てウェビナー(オンラインでのセミナー)も一般的になりました。ウェビナーは遠方にいるリードにも商品情報を届けやすく、会場を借りる必要もないため時間とコストを削減できます。
インサイドセールスの設置
インサイドセールスとは、外部訪問を行わずに電話やメール、オンラインツールを通じて販売活動を行う営業手法です。インサイドセールスには、BDR(Business Development Representative)とSDR(Sales Development Representative)の2つの領域があります。BDRはリード創出から担当し、SDRは獲得済みのリードに架電してナーチャリングやスコアリングをして商談につなげます。
リード選定(リードクオリフィケーション)の段階:3選
顧客の共通点を抽出して分類
すでに商品を購入している顧客の共通点から、顧客が抱えている課題や悩みごとを分類します。業界や企業規模だけでなく、購入理由、顧客満足度、意思決定プロセスなどに基づいて分類することが重要です。例えば、新しい成果を求める顧客と、他製品からの切り替えでコスト削減を目指す顧客では、ニーズや優先順位が異なります。
分類ごとに適切な説明の流れを設計し、どのように商品を提案すれば案件化率が高まるかを検討します。また、分類された顧客の中から特定の顧客を絞り、集中的にアプローチすることも有効です。
架電ルールの策定
リードが発生した後、できるだけ早く電話やメールでコンタクトを取り、顧客の課題やBANT(Budget(予算)、Authority(決裁権限)、Needs(ニーズ)、Time frame(タイミング))を把握することがクオリフィケーションの基本です。インサイドセールスは、この初期接触を担当し、顧客とやり取りして得た情報を営業に渡します。
インサイドセールスは体制を整えてマニュアルもつくり、ルール通りに進めることが大切です。たとえば、製品資料やホワイトペーパーのダウンロードがあってから10分以内に電話するというルールを決めて、それをしっかりとやり切るだけでも商談は増えます。
マーケティングオートメーション(MA)ツール導入・スコアリング
MAツールを導入することで、リードの行動データを分析し、リードの確度を数値化できます。リードの行動データにスコアを付与し、一定の閾値を超えた場合にホットリードとして商談化する仕組みを構築します。
例えば、リードが3日連続でサービスページを訪問している場合や、お問い合わせフォームを何度か訪れているが送信せず離脱している場合などに注目します。そのタイミングで電話やメールで連絡することで、商談につなげることができます。
このように、MAツールの活用により、リードの興味関心度合いを的確に把握し、タイムリーなアクションを取ることで、商談化の成功率を高められる可能性があります。
案件・商談化の段階:4選
イベント
リード向けにイベントを実施することで、関心をさらに高め、製品への理解を深めることができます。
例えば、リード限定の展示会を開催し、デモンストレーションや講演を通じて、製品の具体的な価値を伝えます。このようなイベントでは、参加者が実際に製品に触れたり、直接質問したりする機会が提供されるため、導入メリットや活用方法についての理解が格段に深まります。また、イベント中に商談会を併設し、その場でリードとの具体的な商談を行うことで、スムーズに案件化することも可能です。
オンライン商談
オンライン商談はスケジュールにあわせて柔軟に対応しやすいうえに、移動時間の分も商談にあてられるため、1日あたりの商談回数を増やして顧客との接触機会を増やせます。プレゼンテーション資料やデモンストレーションを画面共有しながら説明することで、リードに対して視覚的に訴求できます。SaaSなどPC上で使う製品の場合、商談中にデモをしますが、オンライン商談のほうが操作している様子をわかりやすく伝えることができます。
さらに、オンライン商談の記録を保存して後から見返すことで、商談内容の再確認やフォローアップの質を向上できます。
Zoom、Microsoft Teams、Google Meetなどを活用してオンライン商談を行うので、これらのツールの操作に慣れる必要があります。
ソリューション提案
イベントや商談などを通じて把握した顧客のニーズに対して、ソリューション提案を行い案件化します。顧客ごとに提案書をカスタマイズして作成することで、具体的かつ有効な提案が可能です。
ソリューション提案では各部署との連携が重要です。マーケティングチームとのコミュニケーションを図り、顧客の行動履歴などのデータを活用して営業時に提供すべき情報を精査します。例えば、どのページやホワイトペーパーを閲覧したかのデータを確認して、よりターゲットに即した内容を提供できます。また、インサイドセールスが顧客に話した内容を正確に引き継ぎ、顧客ごとの課題を把握し、それをどう解決できるかを証明することも大切です。
SFAで商談進捗を把握
SFA(Sales Force Automation、セールス・フォース・オートメーション)とは営業支援システムのことで、リードの育成から案件化までのプロセスを支援してくれます。SFAを活用することで、営業による商談状況を一元管理し、リードの接触履歴や商談の進捗状況をリアルタイムで確認できるため、営業活動の全体像を把握できます。また、チーム内での情報共有がスムーズに行われるため、営業活動の質が向上します。
ただし、SFAを上手に活用できていない企業も多いため、導入の目的、オペレーション設計、運用リソースの確保を事前にしっかりと計画することが重要です。
LTV改善の段階:6選
顧客オンボーディング
顧客オンボーディングとは、製品を顧客が適切に利用開始できるようにサポートすることです。運用がきちんと定着するまでサポートすることで、リピート購入が増え、解約率が下がるなどのメリットがあります。
顧客オンボーディングには、初期設定の支援や使用方法のトレーニング、定期的なチェックインなどの取り組みが含まれます。SaaSやサブスクリプションビジネスにおいて特に重要ですが、すべてのビジネスに適用可能です。
顧客オンボーディングの質を高めることがカスタマーサクセスの実現に繋がります。ただしカスタマーサクセスの定義は顧客ごとに異なるため、顧客が何をもって成功とするかをすり合わせ、それぞれの顧客ごとに異なるサポートを提供する必要があります。
アンケート
アンケートで定期的に顧客満足度を調査することで、解約の原因となりそうなポイントを把握できます。アンケート結果を元に、サポート体制を見直し、必要な改善策を講じることが重要です。例えば、製品に対するフィードバックを収集し、問題や不満を迅速に解決することで、顧客満足度を高められます。さらに、アンケート結果を分析し、トレンドや共通の問題点を把握することで、全体的なサービス品質の向上にもつなげることが可能です。こうした取り組みは、顧客の信頼を深め、長期的な関係を築くための基盤となります。
定期訪問
顧客訪問を定期的に行い、製品導入後のフォローアップを実施します。これにより、顧客の使用状況や満足度を直接確認し、必要に応じたサポートを提供します。定期訪問の際には、顧客の役に立ちそうな提案を行ったり、展示会などのイベントへの勧誘を行ったりすることも可能です。
顧客と話す回数を増やすことは自然と信頼関係を強化することにつながります。顧客が抱えるその他の課題を共有してもらえることが増えます。さらに、顧客へ出入りしている競合他社の提案内容など、競争力を強化するための貴重な情報を得られることがあります。
メルマガ・ニュースレター・DM
メルマガ、ニュースレター、DMを通じて、継続的に連絡を取り続けることで、製品の継続利用や追加購入の機会が生まれやすくなります。繰り返し異なるコンテンツを発信することで、顧客が気づいていない商品の用途や新たな活用方法を伝え、製品の社内定着をより促進させることが可能です。さらに、関連製品の情報を提供することで、新たな商談を発生させることが可能です。
さまざまな方法で定期的に顧客と接触を持つことは、LTVの向上に欠かせません。ただし、接触の頻度が多すぎると顧客が負担を感じることもあるので、適切なタイミングで価値のある情報を提供することが大切です。
商材開発 アップセル・クロスセル
アンケートや定期訪問など、顧客との継続的なコミュニケーションを通じて、現在提供している商品では解決できない新たな課題を発見できます。このような課題に対して、新しい商材を開発することで、アップセルやクロスセルの機会が生まれます。
多くのSaaS企業では、発見した課題を解決するために、関連製品を次々と開発して既存顧客に提供することで売上を積むことがトレンドとなっています。解約による売上減少を上回る追加購入が期待できる状態になれば、事業成長を加速できます。
コミュニティ化
顧客同士が交流できるコミュニティを運営することは、顧客のエンゲージメントを高める有効な手段のひとつです。コミュニティを通じて、導入した製品の活用方法を共有し相互に学び合うことで、顧客満足度が向上します。さらに、コミュニティ内でのやり取りを通じて、顧客からのフィードバックを直接収集し、サービスの改善に活かすことが可能です。
また、オンラインで顧客同士がやり取りできる場を提供する企業も増えています。こうすることでコミュニケーションが促進され、コミュニティの一体感が高まります。こうした交流の機会を提供することは顧客の帰属意識を育み、ブランドへのロイヤルティを強化できるので、長期的な関係を築くことにつながります。
また、コミュニティを通じて顧客に見込み客を紹介してもらえる機会も生まれます。顧客に製品のメリットや成果を語ってもらうことは、営業担当者からの説明よりも説得力があり、案件化率も高くなります。
失注した場合の施策:2選
失注要因の分析
案件・商談化に成功したものの最終的に失注した場合、その要因を分析することは受注率を向上させるために不可欠です。SFAなどのツールを活用し、案件情報を管理・分析することで、受注パターンと共に失注パターンも把握できます。クロージングまでの期間や接触頻度、スコアリングの精度などを見直す良い機会です。
失注したリードを再度有効活用するための施策も重要です。BtoBでは市場が限られているため、一度失注した企業をリストから除外してしまうといずれ枯渇してしまうため、必ず過去の失注リードにも当たる必要があります。たとえば予算の関係で失注した場合には、将来的に連絡が取れるようにするためのSFAでのタスク自動設定、定期的なフォローアップメール、失注者向けのイベント案内などが効果的です。
営業ロープレの強化
失注要因の分析に関連し、成約・受注率を向上させるために、営業ロープレ(ロールプレイング)による営業力の強化も有効です。受注に成功した際のセールストークを共有し、想定される質疑応答に対してどのような回答をするかを検討することで、営業チーム全体のスキルアップを図ります。その場合、現実の商談に近い状況でトレーニングを行うことがポイントです。
さらに、営業ロープレを定期的に実施し、数をこなすことも大事です。営業ロープレを正しく繰り返すことで、営業担当者は直面するさまざまなシナリオに臨機応変に対応できるようになります。
BtoBマーケティング施策の成果を高める4つのポイント
1. 顧客 (ペルソナ)とニーズを明確にする
ターゲットとする顧客への深い理解を持つことは、BtoBマーケティングの成功に不可欠です。受注・失注の分析や、リード・既存客へのインタビューなど多角的な分析によって、具体的なペルソナを設定します。ペルソナは複数設定し、それぞれの課題やニーズを細かく定義することが重要です。
例えば、業界、企業規模、導入理由などの観点から詳細に設定することで、各ペルソナに対する適切なマーケティング戦略を策定でき、ターゲティングの精度を高められます。
2. 他部門間での連携を強化する
マーケティングチームと営業チームとの連携を強化することは、リード創出から受注への移行を迅速に行うために重要です。企業の規模によっては、インサイドセールス部門を立ち上げてフィールドセールスと分離することもおすすめです。そうすることで商談数を最大化し、営業活動の効率化が図れます。
さらに、会社全体で顧客のニーズを予測し、改善策を考えて実行することも重要です。部分最適ではなく全体最適で全員が考えるようにするには、部門横断の評価指標を設計することが大切です。
たとえば、マーケティングチームがリード獲得数だけを目標にして、それだけで評価されるようになると、受注に繋がりにくいリードをたくさん集めてしまうことになりかねません。獲得したリードからの商談数、受注数、受注金額などもマーケティングチームの目標として設定することで、営業チームと深く連携することが自らの評価につながる状態になります。
3. 目的に合ったツールを導入する
分析や業務の効率化に必要なツールを導入することは、マーケティング施策の効果を高める上で必要です。例えば、MAツールを使用すると、リードの管理やスコアリングが自動化でき、効果的なリード育成が可能になります。
また、SFAやCRM(顧客関係管理)を導入することで、顧客情報の一元管理や商談の進捗管理が容易になり、営業活動の効率化を図ることが可能です。これらのツールを適切に活用することで、リソースを最大限に活かし、生産性を向上させられます。
4. BtoBマーケティングの戦略と合致する施策を選定する
マーケティング活動の第一歩は、しっかりとした戦略を立てることです。戦略に基づいて具体的な施策を選定し、実行することで、成果を最大化できます。
理想的には、LTVが高い施策や媒体に予算を多く投下したいところですが、BtoBマーケティングではLTVの効果計測に時間がかかるため、まずは受注率を基準にすることが多いです。例えば、リード獲得から受注までの率が高い媒体があれば、その媒体に予算を集中させます。ただし、成果が良い媒体でも予算の上限に達するとコンバージョンが増えないことがあるため、常に次の有効な媒体を探し続ける必要があります。
BtoBマーケティングの施策一覧
▼リード創出(リードジェネレーション)
- SEO(検索エンジン最適化)/コンテンツSEO
- LP(ランディングページ)作成
- ホワイトペーパー
- プレスリリースの発信
- リスティング広告
- ディスプレイ広告
- 記事広告
- SNS広告
- SNSアカウント運用
- テレアポ
- 交通・車内広告
- サイネージ広告
- テレビ・ラジオ広告
- オフラインDM
▼リード育成(リードナーチャリング)
- メルマガ配信
- シナリオメール・ステップメールの配信
- リターゲティング広告
- セミナー開催
▼リード選定(リードクオリフィケーション)
- 顧客の共通点を抽出して分類
- SDR(インサイドセールス)の設置
- MAツール導入・スコアリング
▼ 案件・商談化
- イベント
- オンライン商談
- ソリューション提案
- SFAで商談進捗を把握
▼ LTV改善
- 顧客オンボーディング
- アンケート
- 定期訪問
- メルマガ・ニュースレター・DM
- 商材開発 アップセル・クロスセル
- コミュニティ化
▼ 失注した場合
- 失注要因の分析
- 営業ロープレの強化
BtoBマーケティングを強化するには、マーケティング戦略を立案して目標を設定したうえで、施策の実行に移るプロセスが重要です。施策の成果を高めるには顧客ニーズの正しい把握やマーケティングとセールス部門のスムーズな連携、目的に合ったツールの導入、戦略に合った施策の選定などが求められます。
まとめ
リード創出、リード育成、リード選定、案件・商談化、LTV改善の各プロセスにおいて、適切なマーケティング施策を実行することがBtoBマーケティングで成功するための鍵です。各マーケティング施策の効果を測定し、コストを考慮しながら試行錯誤を繰り返すことが求められます。また、失注した場合にはその経験を分析し、次回に向けた戦略を見直すことが重要です。
株式会社Sells upは、BtoBマーケティングに特化し、企業のマーケティング活動を全面的にサポートしています。具体的には、リード獲得や育成から、営業支援ツールを活用した商談の取りまとめまで、一貫した支援を行います。マーケティングをこれまで実施していない企業や、現状の方法に限界を感じている企業向けに、正確なCV測定や市場・競合の調査、MAツールの導入など、多岐にわたる戦略を提供します。
リードジェネレーション、MA活用/ナーチャリングをはじめとしたBtoBマーケティングに関するご相談はSells upに
業種や企業規模を問わず、これまで約80社を支援してきたSells upが、貴社が描くゴール/成果に向けたBtoBマーケティングを支援いたします。まずは、貴社の目標/理想の状態やリードジェネレーション/ナーチャリングに関するお悩みをお気軽にお知らせください。