戦略立案、施策の実行、そして人材育成。非連続な成長を続けるスタートアップのマーケ立ち上げとその裏側
リードジェネレーション、MA活用/ナーチャリングをはじめとしたBtoBマーケティングに関するご相談はSells upに
業種や企業規模を問わず、これまで約80社を支援してきたSells upが、貴社が描くゴール/成果に向けたBtoBマーケティングを支援いたします。まずは、貴社の目標/理想の状態やリードジェネレーション/ナーチャリングに関するお悩みをお気軽にお知らせください。
「テクノロジーを社会実装し、世の中の不を解決する」をミッションに掲げ、ドローンを活用したSaaS事業を展開する株式会社CLUE。ドローンの社会実装に取り組む同社では、ドローンによる屋根外装点検をワンタップで実現する「DroneRoofer」を始め、主に建設業界の企業向けソフトウェアの開発、提供を手掛けています。
取り組みがスタートした2019年当時、同社では営業活動は進められていたものの、社内にマーケターが不在だったことからマーケティング施策に取り組めないという課題を抱えていました。そこでマーケティング戦略の立案から施策の実行、インサイドセールスチームの立ち上げまで幅広い支援サービスをご提供させていただきました。
今回は法人事業部マーケティング・インサイドセールスチームでマネージャーを務める下田 篤志さまとともに、過去5年間の取り組みを振り返りました。
スタートアップの非連続な成長にマーケティングは必要不可欠。取り組み当時に抱えていた課題とは
武田:最初にご相談いただいたのは、たしか2019年頃のことでした。マーケティング施策について、当時どのような課題を抱えていたのでしょうか?
下田:弊社サービスの顧客属性として、建築業界ではデジタルマーケティングだけでなく直接会うコミュニケーションが期待されるため、オンラインとオフラインの両方の施策が必要です。より具体的には、デジタルマーケティング以外にも業界団体へのアプローチ、展示会出展など、広いお客さま接点創出の施策が想定されます。
しかし当時の弊社は、マーケティング経験者が社内にひとりもいない状況で、そもそもどの施策に何をどれだけ投資したら伸びていくのか、その施策の企画や進め方が見えていない状態でした。
数名の営業担当者を中心に営業活動はできており、プロダクトのPMFも達成はできていたのですが、スタートアップとして非連続に事業を成長させていくためには、やはりマーケティングへの投資と取り組みは避けられません。
株式会社CLUE 下田さま
ひとつの専門性ではなく、マーケティング全体の戦略を描けることが取り組みの決め手に
武田:マーケティングの協力パートナーを選定するうえで、どのような要素を重視しましたか?
下田:マーケティング領域のパートナーに求めていた要素は、ひとつの施策に対する専門性ではなく、大局的で俯瞰した目線から投じるべきマーケティング予算を施策別に配分できること、つまりマーケティング全体の戦略を描けることでした。施策実施後は効果検証を行い、必要に応じて具体的な組織づくりを進めていこうと考えたのです。
このような施策に必要な専門性と経験値が高い人は、独立されているケースが多く当初の効果検証はプロジェクト的な要素もあるので、人材流動性を考えても外注のほうが望ましいと判断しました。
武田:マーケティングの協力パートナーとして選定いただいた決め手をお聞かせください。
下田:弊社が信頼を置く方に武田さんをご紹介いただき、何度かマーケティングについてご相談させていただきました。ご相談する中でマーケティングに対する認識、つまり「マーケティングで大事なのは、お客さまの行動をいかに変容させるか」「サービス起点ではなく、お客さまが主語であるマーケティングをすべき」だという考え方に共感を覚えたと、前任者からは聞いています。
協力パートナーさんとこれからお取り組みしていくにあたって、施策レベルではなく、価値観レベルで同じ認識でないと上手くいきませんし、コミュニケーションコストがかかりすぎてしまいます。武田さんの思考回路であれば、私たちが求めるマーケティングの戦略を実現できるだろうと判断し、パートナーとしての取り組みをご依頼しました。
デジタルマーケティング全般をお任せ。マーケ指標、戦略の立案から実務作業まで
武田:取り組みが始まって最初に着手したのはマーケティングのKPI設計でしたね。打ち合わせを重ねる中で、最終的にはターゲット属性に合致するリード数と商談獲得数の大きく2つを指標に置くことが決まりました。
下田:弊社のサービス「DroneRoofer」「ドローン施工管理くん」などがターゲットにしている建築業界は、閑散期や繁忙期によって広告に対するアクションの波があり、年間の広告出稿計画を立てるのは簡単ではありません。そこで過去に蓄積していたお客さまのデータやサービスサイトへのアクセスログなどを参考に、各施策ごとの目標数値を立てていただきました。
武田:ターゲット属性に合致するリード数と商談獲得数、この2つの指標を達成するための手段として特に注力したのが、デジタルマーケティングとセミナー施策でした。まずはデジタルマーケティングの施策について、どのような印象を持たれていますか?
下田:デジタルマーケティング、特にGoogle広告やYahoo!広告、Meta広告といった運用型広告については武田さんにお任せしてきました。過去の配信データやユーザーからのリアクションをもとに私やセールスと相談させていただき、どの媒体のどの広告枠に、入札単価をいくらで設定し、どのようなクリエイティブで配信するか、ほとんどの部分をご提案いただいています。
バナーやLPといったクリエイティブの依頼も、武田さんから業務委託でお願いしているデザイナーさんへ直接指示が飛んでいます。武田さんがデータを分析し、その結果を受けて直接クリエイティブにフィードバックされているので、データドリブンなクリエイティブ制作になっていると感じます。
特にMeta広告やディスプレイ広告では、このクリエイティブの改善が成果につながっています。建築業界における情報収集では検索行動が活発ではなく、Meta広告やディスプレイ広告といったプッシュ型の広告のほうが獲得効率が良いのです。こうした気付きも、武田さんに広告を運用していただく中で分かってきたことです。
もうひとつ、クリエイティブの改善が効果的だったのはLP施策です。武田さんに支援いただく前のLPはサービスの機能や特徴を主張するものばかりだったのですが、インサイドセールスやフィールドセールがお客さまとコミュニケーションする中で得られたインサイトや課題感をLPのクリエイティブに落とし込んでいただき、今ではお客さまの課題解決に焦点を当てたLPが安定してリードを獲得できています。
Sells up 武田
セミナー、オウンドメディア、メールなど、施策を越えたコンテンツ企画
武田:デジタルマーケティングの施策では安定してリードを獲得する仕組みを構築できたと思います。ただ、より一層の成長を実現していくために必要な施策がセミナーでした。セミナー施策に対してはどのような感想を持たれましたか。
下田:運用型広告などの施策で獲得したハウスリストのお客さまを商談化するために重要だったのがセミナーでした。まず弊社単独のセミナーではセミナー後のアンケートからお客さまごとに興味、関心があるトピックを分析し、最適なフォローアップメールを送信していました。一方で他社との共催セミナーでは、ハウスリストを増やすことを目的としています。
武田さんのサポートで特に印象に残っているのはセミナーコンテンツの改善です。「このセミナーコンテンツは本当にお客さまの課題解決になっているか。お客さまが知りたかったことか」など、私たちでは気が付きにくい、お客さま視点の客観的なアドバイスをいただくことができました。
また、セミナー施策後のメール配信にはCRMを活用しており、MAにAccount Engagement を、SFAにSalesforceを導入しました。こちらもツールの選定や導入初期の設定、活用まで武田さんにご協力いただきましたね。
具体的な施策としては、ウェビナーに集客するためのメールマガジンの配信内容や配信のタイミングといった集客設計の企画とMA上の設定や、3日連続でサービスページに訪問しているユーザーを検知しインサイドセールスに自動で連携される仕組みの設定などに取り組んでいただけました。
また、将来的なマーケティング施策の自走化を見据え、社内のメンバーにMAからのメールの送信方法をレクチャーをしていただくなど、私たち自身がちゃんとMAを“使える状態”になるまでサポートいただいています。
武田:セミナーコンテンツの企画は、貴社のオウンドメディア「MOTTOBE(モットベ)」にも活用されています。コンテンツマーケティング施策に対するご感想をお聞かせください。
下田:「MOTTOBE」のメディアとしての方針だけでなく、どのような記事を公開していくのか、具体的な記事の内容にまでレビューいただいたことが印象的ですね。特に効果的だと感じたのが、記事内容を企画する上でセミナーのアンケート結果やメルマガの配信タイミングなどが考慮されていたことです。もし私たちだけでオウンドメディアを運営していたら、オウンドメディア単体で記事を企画し、他のマーケティング施策と連携できていなかったかもしれません。現在では、オウンドメディアから安定してCVを獲得できるようになりました。
マーケター不在の状況から戦略立案、施策の実行、そして人材育成に貢献
武田:マーケティング支援がスタートしてから5年ほど経ちました。改めて今回の取り組みに対して、どのような評価をいただいていますか?
下田:経営的な観点では大きく2点あります。
ひとつはもともとの出発点でもあったマーケティング戦略、マーケティングリソースの配分をお任せできていることは大きく感謝している部分です。どのタイミングで、その施策に投資していくべきかといった判断を的確にご提案いただき、その後も実行いただけるので、マーケティングについては安心してお任せできます。
もうひとつ高評価なのは人材育成の観点ですね。私自身、BtoBマーケティングは初めてのことでしたが、「お客さま視点で考える」といった基礎的な部分から、デジタルマーケティングやセミナーの進め方など、施策の上流から下流までさまざまなアドバイスをいただきました。マーケティングの目的から考えて施策を企画していくという思考プロセスは、今後私たちが自走してマーケティングに取り組んでいく上で必要不可欠だったと思います。
武田:長期間の取り組みなので単純な前後比較は難しいのですが、取り組みによってどのような変化を感じられていますか?
下田:そもそも武田さんにご協力いただく以前はマーケティングにほとんど取り組めておらず、営業が自分の足でお客さまを獲得してくる状態でした。そこから5年で組織的なマーケティング施策に取り組めるようになり、以前は営業が地道に集めてきたリードを、いまではマーケティングだけで獲得できています。5年前と比べれば、これは間違いなく「非連続な成長」だと言えます。
また、本来はマーケティングから始まった取り組みでしたが、インサイドセールスチームの立ち上げにもご協力いただいたり、カスタマーマーケティングの施策を一部取り入れたりと、お客さまに向き合う部門は何段階もレベルアップできたのではないでしょうか。
これは私の主観ですが、武田さんのマーケティングに対する姿勢が数字やデータをもちろん大事にしつつも、最終的には一貫してお客さま目線であることが、この成果につながっているものだと考えています。
これまでのサポートを活かし、マーケティングとインサイドセールスの自走化へ
武田:今後の展望についてお聞かせください。
下田:現在弊社では展開するプロダクトが増えたり、新しいサービスの提供が進んでいたりと、プロダクト・サービス群をどう市場に広めていくかというミッションに会社全体で取り組んでいます。これまで武田さんにはマーケティング実務から組織の立ち上げ、そしてマーケティング戦略の立案までご協力いただきましたが、今後はこの新しいミッションについても一緒に取り組んでいただきたいですね。
また、カスタマーマーケティングのチームも直近で立ち上がったばかりでして、サービス契約後のお客さまのフォローを手厚くし、サービスの継続率向上にも取り組んでいきます。その際には、これまでのマーケティングやインサイドセールスで蓄積したノウハウやデータをしっかり活かしていければと思います。
武田:弊社の支援は、どのような企業におすすめできますか?
下田:武田さんは誠実な方ですので、企業のカルチャーとしてお客さまファーストでサービスを提供し、社会に対する貢献を大事にされている企業は特に相性が良いのではないかと思います。
マーケティング全般だけでなく、インサイドセールスやカスタマーマーケティングまで柔軟にご相談できるので、マーケティングに困っている企業であればぜひ一度相談してみるとよいかもしれませんね。
リードジェネレーション、MA活用/ナーチャリングをはじめとしたBtoBマーケティングに関するご相談はSells upに
業種や企業規模を問わず、これまで約80社を支援してきたSells upが、貴社が描くゴール/成果に向けたBtoBマーケティングを支援いたします。まずは、貴社の目標/理想の状態やリードジェネレーション/ナーチャリングに関するお悩みをお気軽にお知らせください。