事例

新規事業の舞台裏。広告予算10万円で毎月100件のリードを創出し、顧客に“デザインの力”を届けるまで

リードジェネレーション、MA活用/ナーチャリングをはじめとしたBtoBマーケティングに関するご相談はSells upに

業種や企業規模を問わず、これまで約80社を支援してきたSells upが、貴社が描くゴール/成果に向けたBtoBマーケティングを支援いたします。まずは、貴社の目標/理想の状態やリードジェネレーション/ナーチャリングに関するお悩みをお気軽にお知らせください。

目次

歴史ある日本テレビのビジュアル面を“デザインの力”で支え続けてきたクリエイティブ集団、株式会社日本テレビアート。セットや照明などの空間デザインからグラフィックデザイン、Webといった番組制作に携わるクリエイティブを手掛けてきた同社では、テレビ業界の変化を受け、より多くの企業に“デザインの力”を届けるため、新規事業の立ち上げに取り組んでいます。

新規事業立ち上げの一環として立ち上げられたビジネスプロデュース室では、新しいサービスの企画から新規顧客との接点創出と販路の拡大に悩みを抱えていました。こうした課題解決を目的とした弊社との取組みでは、サービス企画から広告の運用、MAの導入まで幅広い支援サービスをご提供させていただきました。

今回はビジネスプロデュース室で担当部長を務める滝澤 奈美子さまと山下 祈さまとともに取り組みを振り返りました。

変化が求められるテレビ業界。デザインのプロ集団が抱えていた課題とは

武田:どのような背景から、ビジネスプロデュース室を立ち上げられたのでしょうか?

滝澤:私たちが所属するビジネスプロデュース室は、“デザインの力”で日本のビジネスをワクワクさせることをミッションに掲げて2020年に設立されました。日本テレビの美術を支えてきた知識と技術、そしてブランド力を活かし、インパクトあるデザインをあらゆる業界に届けるための事業を展開しています。

立ち上げの背景には、テレビ業界全体の市場の変化が挙げられます。テレビというマス媒体の役割はインターネットの普及とともに少しずつ変化しており、これまでとは違うビジネスモデルの確立、つまり事業と収益源の多角化が求められるようになったのです。こうした業界全体の変化を受け、弊社では新規事業の立ち上げに注力することになりました。

武田:ビジネスプロデュース室を立ち上げて以降、どのような課題を抱えていたのでしょうか?

滝澤:日本テレビアートの強みである“デザインの力”を活かした新規事業を立ち上げるため、まずは新しいお客さまとの接点の創出と販路の拡大に取り組むことになりました。

しかし弊社はこれまで日本テレビの番組制作がメインの事業だったため、一般的な企業の営業やマーケティングに相当する部署がなく、営業やマーケティングのノウハウもなかったのです。社員の8割以上がデザイナーであり、ビジネスプロデュース室のメンバーも全員が営業やマーケティングの経験がゼロでした。

正直なところ、新しいお客さまとの接点の創出も販路の拡大もどのようにすればよいか見当もつかない状態だったため、協力パートナーさまにご協力いただくことを考えはじめたのです。

株式会社日本テレビアート 滝澤さま

営業やマーケティング施策ではなく、より本質的な課題を解決するパートナーを求めていた

武田:ビジネスプロデュース室の課題を解決するため、どのような取り組みをされていたのでしょうか?

滝澤:とにかく「新規顧客を増やさなければ」と考え、当初は営業代行サービスを契約していたのですが、すぐに課題に直面しました。

営業代行をしていただくパートナーさんに弊社のケイパビリティをよく理解していただけず、また私たち自身もうまく言語化できていなかったのです。そもそもデザインの仕事は無形商材であり、すでに出来上がった製品を納品するのではなく、お客さまからの要望や要件定義を受けて一点物のクリエイティブを作り上げていきます。

私たちのデザイン力を活かしたサービスそのものが明確ではなく、営業代行のパートナーさんも具体的に何を売ればいいのか分かっていなかったため、せっかく営業代行でさまざまな顧客と接点をとってもなかなか具体的な商談まで進みませんでした。

武田:改めてパートナーを選定するにあたり、どのような要素を重視しましたか?

滝澤:営業活動の前段階として、もっと本質的な課題の解決に向き合っていただけること、マーケティングからインサイドセールス、営業までの組織の立ち上げを支援してくださることを必須条件として複数社にお声がけし、最終的に3社からご提案をいただきました。

各社のご提案には、数値的な目標をいかに達成していくかというロードマップや具体的な施策案、そして将来的にビジネスプロデュース室が自走してマーケティングや営業に取り組んでいくため、組織にノウハウを蓄積するための工夫を盛り込んでいただきました。

これらの条件すべてを満たしていたことに加え、柔軟に施策を企画、実行いただけること、テレビ業界ならではの文化や課題に対する理解に努めていただいたこと、そして型にはめず弊社に最適な提案をしてくださったことから、ビジネスプロデュース室を支援いただくパートナーに武田さんを選定しました。

株式会社日本テレビアート 山下さま

新規事業の企画から広告運用、MAの導入、マーケノウハウの共有など、伴走型で幅広く支援

武田:マーケティング・インサイドセールスの支援、ノウハウ蓄積までを考慮し、トータルで2年ほどの取り組みを想定してご契約いただきました。取り組み開始以降の施策についてお聞かせください。

滝澤:大きく2つのフェーズに分けて進行しました。最初のフェーズは施策を検討する期間とし、約10ヶ月を割きました。さまざまな施策をご提案いただき、その中からいくつか選定し、残りの14ヶ月で施策を実行していく流れです。

フェーズ1では具体的な施策を検討していく前に、そもそもビジネスプロデュース室はどんなサービスを展開していくのか言語化していくことから始めています。当然、いきなりデザインとまったく関係のない新規サービスを立ち上げてもうまくいきませんので、まずは自分たちにできること、過去に手掛けてきた実績をもう一度見直し、そこから新規サービスのフックを見つけていきました。

その結果、Webや動画、LP、ロゴといったグラフィックやWebを中心としたデザイン制作の販路拡大に取り組んでいくことになりました。現在ではもっと上流の工程、つまり企業のCIやブランディングのご相談も少しずつ増えてきており、デザインによる幅広い課題解決サービスに成長しています。

武田:サービス内容が形になりはじめたタイミングでマーケティング・インサイドセールスの支援をスタートさせました。フェーズ2以降の施策についてお聞かせください。

滝澤:まずはMeta広告(Facebook広告)でリードを獲得していくことから着手いただきました。同時並行でサービス資料やLPの作成、長期的な成果が見込めるコーポレートサイトの改修とコンテンツマーケティングの立ち上げを進めていました。

その次のアクションとして導入いただいたツールが、スプレッドシートで管理していたリード情報を集約し、ステータス管理とメールマーケティングにつなげるためのHubSpotです。特にMeta広告で効率よくリードが獲得できまして、どれだけリードが増えても手軽に管理できています。

武田:スプレッドシートからCRM(MA、SFA)による管理への移行は、リード件数よりも項目数によって判断すべきです。たとえばまだ数十件しかリードを獲得できていなくとも、案件名やアポを獲得した日時、流入経路、商談の内容などを細かく管理していくことになれば、管理すべき行が増えてしまい、あとからデータを分析する際の工数が多くかかるようになってしまうなどの弊害が起き、活用しづらくなってしまいます。

山下:HubSpotの運用を含め、まだまだ勉強中です。マーケティングの考え方といった基礎の部分やHubSpotの操作方法などを学習し、組織内にノウハウを蓄積していくため、勉強会を毎週開いていただきました。「来週までに〇〇の設定を完了しておく」といった宿題を出していただき、初期設定を進めながら学習できたのは高評価です。

また、分からないことがあれば、ビジネスチャットツールですぐに武田さんからご回答いただけるので、とても助かります。ツール提供会社のサポートよりも「利用者視点」で活用方法を教えてくださることが印象的ですね。

Sells up 武田

広告予算10万円で毎月100件のリードを獲得。「新規顧客との接点の創出と販路の拡大」の目標も順調に進捗

武田:これまでの取り組みを振り返り、ビジネスプロデュース室ではどのような成果が得られましたか?

滝澤:経営層からは5年単位で売り上げ目標を課されていましたが、現在は達成ペースで進行しています。その要因として、Meta広告とコンテンツマーケティングからリードを潤沢に獲得できていることが挙げられます。

初年度から多い月で100件以上のリードを獲得できるようになっている一方、毎月の広告予算は10万円程度に抑えられていることには驚きました。今回の取り組みで新たにインサイドセールスチームを立ち上げたのですが、正直なところ架電が追いつかないほどです。このインサイドセールスの立ち上げでも、トークスクリプトの作成、監修で武田さんにお力添えいただきました。

山下:マーケティング施策で獲得できたリードはつまり、私たちの会社に少なからず興味を持ち、何かしらのファーストアクションを起こしていただいた方々です。リードを分析し、お電話をかけていく中で、これまで接点がなかったお客さまが「日本テレビアート」に何を期待しているのか、「日本テレビアート」は何を提供できるのかを考えられるようになったことは、ビジネスプロデュース室にとって大きな変化だと思います。

加えてマーケティング施策を通じ、「日本テレビアート」は日本テレビのコンテンツ制作以外にも事業を展開していることを発信できたことも成果のひとつです。

武田:これまでの取り組みで、以前に抱えていた課題は解決できていますか?

滝澤:これまで弊社は日本テレビ案件のお仕事がほとんどだったため、ちょうど武田さんにお問い合わせした頃は、弊社に問い合わせをする企業のイメージすらできませんでした。そもそも問い合わせを受けるフォームもうまく機能していない状態だったのです。

そんな状態からスタートし、現在では毎月安定してリードを獲得できるようになり、Webや動画、LP、ロゴといったデザイン制作の案件を受注できるようになりました。「新規顧客との接点の創出と販路の拡大」という目的は達成できたものと考えています。

山下:ノウハウを蓄積するという目的も少しずつですが、実現できていると思います。コンテンツマーケティングでは、実際に記事の書き方をレクチャーいただいたり、目を引く広告のレイアウトのノウハウをご共有いただいたりと、私含めメンバーのなかにノウハウが蓄積されつつあると思います。将来的には、ビジネスプロデュース室が自走してマーケティング活動に取り組めるような状態にしたいですね。

安定したリード獲得の体制が整い、今後は受注率の向上に取り組んでいきたい

武田:今後の展望についてお聞かせください。

滝澤:今回の取り組みは2年単位の契約でしたが、目標達成は5年後に設定しています。引き続き売上目標の達成というゴールは変わっていないものの、今後も柔軟にマーケティング施策に取り組んでいきたいですね。

山下:現時点でリードを安定して獲得できる仕組みの体制は整っていると思います。次に注力していくべきは、リードナーチャリングと受注率の向上ですね。そのためにはHubSpotによるメルマガ配信や、インサイドセールスによる営業電話、アポ内容のブラッシュアップに注力していきたいと思います。武田さんにも引き続きご協力いただきながらも、自分たちもしっかり勉強してより主体的に施策に取り組んでいきます。

武田:弊社の支援は、どのような企業におすすめできますか?

滝澤:非常に根気強く支援していただけるので、「新しい世界に飛び込まなければいけないが、自社にはまったく知見がない……」と心配している担当者の方にこそ、おすすめしたいですね。分からないことに対して丁寧にイチから教えてくださるので、ぜひ一度問い合わせてみてはいかがでしょうか。


リードジェネレーション、MA活用/ナーチャリングをはじめとしたBtoBマーケティングに関するご相談はSells upに

業種や企業規模を問わず、これまで約80社を支援してきたSells upが、貴社が描くゴール/成果に向けたBtoBマーケティングを支援いたします。まずは、貴社の目標/理想の状態やリードジェネレーション/ナーチャリングに関するお悩みをお気軽にお知らせください。

株式会社Sells up
武田 大
株式会社AOKIにて接客業を、株式会社リクルートライフスタイル(現:株式会社リクルート)にて法人営業を経験した後、株式会社ライトアップでBtoBマーケティングを担当。その後、デジタルマーケティングエージェンシーにてBtoBマーケティングの戦略設計/施策実行支援、インサイドセールスをはじめとしたセールスやカスタマーサクセスとの連携を通じたマーケティング施策への転換といった支援を行い、2023年に株式会社Sells upを設立。BtoBマーケティングの戦略設計/KPI設計はもちろん、リードジェネレーション施策やナーチャリング、MA/SFA活用を支援し、業界/企業規模を問わずこれまでに約80社以上の支援実績を持つ。Salesforce Certified Marketing Cloud Account Engagement Specialist/Tableau Desktop SpecialistのSalesforce認定資格を保有。