BtoBマーケティングとは?プロセスを分かりやすく解説
リードジェネレーション、MA活用/ナーチャリングをはじめとしたBtoBマーケティングに関するご相談はSells upに
業種や企業規模を問わず、これまで約80社を支援してきたSells upが、貴社が描くゴール/成果に向けたBtoBマーケティングを支援いたします。まずは、貴社の目標/理想の状態やリードジェネレーション/ナーチャリングに関するお悩みをお気軽にお知らせください。
現代はデジタル技術の進歩・発展にともなって市場が成熟化しており、競合他社に対する競争優位性の確立が困難になりつつあります。このような背景のなかで優れた顧客体験価値を創出するためには、データドリブンな意思決定にもとづくマーケティング戦略の推進が不可欠です。
本記事では企業間取引を主体とするBtoBマーケティングの基本的なプロセスについて解説します。BtoBマーケティングの戦略立案におけるポイントや役立つツール、見込み客の獲得に用いられる手法なども紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
BtoBマーケティングとは?
BtoB(Business to Business)マーケティングとは、企業間の商取引に特化したマーケティング活動を指す概念です。対して、一般消費者を対象にしたビジネスモデルが「BtoC(Business to Consumer)」です。
従来のBtoBマーケティングでは、テレアポや訪問営業、ダイレクトメールといったアナログな手段が主流でした。近年、BtoBにおいても意思決定者の情報収集の仕方が変わり、WebサイトやSNS、Web広告などのデジタルチャネルを活用したマーケティング活動の重要性が高まっています。
そのほかにも、グローバル市場の拡大、顧客関係管理の重要性に対する認識向上、市場競争の激化が背景にあり、今後、オンラインを活用したBtoBマーケティングの需要はさらに増えると予想されています。
BtoCマーケティングとの違い
一般消費者を対象とするBtoCには、見込み客の総数は多いものの、
- 1回あたりの取引額は高くはない
- 購入の意思決定者は一般的にエンドユーザーである
- 娯楽や好奇心などの情緒的な判断基準で購入に至る傾向にある
といった特徴があります。BtoCマーケティングでは、いかにして不特定多数の見込み客にプロダクトの認知拡大を図るかが重要で、潜在層への広告宣伝や感情的な訴求、ブランドイメージの構築などが戦略の主体となります。
一方でBtoBの場合は、見込み客の数は少ないですが、
- 1回あたりの取引額が高額である
- 決裁権を有する意思決定者は複数人いる場合が多い
- 課題解決や売上増大といった合理的な判断基準で成約に至ることが一般的
などの特徴があります。したがってBtoBマーケティングでは、受注確度の高い見込み客の選定と信頼関係の構築が重要であり、市場調査にもとづく見込み客のセグメントや、ヒアリングを介した潜在需要の発掘、購買意欲を高める営業フローの確立などを中心に戦略が展開されることが一般的です。
BtoBマーケティングのプロセス
BtoBマーケティングを展開する際の基本的なプロセスは、
- 市場調査・分析
- STP
- マーケティング・ミックス
- マーケティング施策の実行
- 評価・管理
です。
市場調査・分析
市場調査とは、参入市場の規模や将来性、競合他社の動向、見込み客の潜在需要や購買行動を包括的に調査・分析するプロセスです。アンケートやサンプリングで数値化できるデータを収集する定量調査や、インタビューや行動観察調査で感情的・心理的なデータを収集する定性調査を実施し、導き出された洞察を製品開発やマーケティング戦略の立案・策定に役立てます。
市場調査・分析で利用される代表的なフレームワークには、「3C分析」「SWOT分析」「PEST分析」などがあります。3C分析では、
- Customer(顧客)
- Competitor(競合)
- Company(自社)
の3要素を分析します。SWOT分析では、内部環境(自社でコントロールできる経営資源などの環境領域)である、Strengths(強み)とWeakness(弱み)、外部環境(自社でコントロールできない環境領域である市場動向など)であるOpportunity(機会)とThreat(脅威)を分析します。
PEST分析では、
- Politics(政治)
- Economics(経済)
- Society(社会)
- Technology(技術)
を分析することによって、マーケティング戦略を立案します。
STP
STPとは、Segmentation(セグメンテーション)、Targeting(ターゲティング)、Positioning(ポジショニング)の頭文字をつなげた略称で、これらの要素を分析してマーケティング活動の基本戦略を定めるフレームワークが「STP分析」です。STPを分析することで市場の細分化とターゲットの明確化が可能となり、参入市場における自社の立ち位置を確立できます。
セグメンテーション
セグメンテーションとは、特定の基準にもとづいて市場を細分化し、複数のセグメント(グループ)に分類する工程です。具体的な指標としては、性別・年齢・職業などの人口統計的な属性で分ける「デモグラフィックデータ」、趣味・嗜好・習慣といった心理的な要素でプロファイルを作成する「サイコグラフィックデータ」などがあります。
さらに、都市・地域・行動範囲などの地理的要素にもとづく「ジオグラフィックデータ」、利用頻度・購入日時・購入金額といった行動的な属性で分類する「ビヘイビアルデータ」なども、セグメンテーションに必要な指標です。セグメンテーションを実施することにより、各セグメント固有のニーズに応じたマーケティング戦略を立案・策定できるようになります。
ターゲティング
ターゲティングとは、細分化されたセグメントのなかから、自社の製品に適した市場を選定する工程です。以下の「6R」を軸にターゲット市場を選定します。
- Realistic scale(市場規模):特定の業界や市場の規模を分析し、大口契約や長期的な取引が見込めるかを判断します。
- Rate of growth(成長性):成長性の高い市場は投資資本の回収と長期的な利益が見込めるため、市場ポテンシャルを評価します。
- Rival(競合状況):参入を検討している市場の競合状況を分析し、製品の差別化や競争優位性の確立が可能かを検討します。
- Rank(優先度):市場規模や成長性、競合状況などを踏まえ、自社の製品が見込み客にとって優先度が高いものかを分析します。
- Reach(到達可能性):参入を検討している市場の見込み客にリーチできる可能性や難易度、製品を提供する販路などを検討します。
- Response(測定可能性):マーケティング活動では施策の継続的な修正・改善が必要なため、市場や顧客の反応を測定できるかを判断します。
ポジショニング
ポジショニングとは、ターゲティングで選定した市場に調査を実施し、競合他社との関係性を分析して自社の立ち位置を定める工程です。参入市場で競争優位性を確立するためには競合他社との差別化を図り、自社ならではの顧客体験価値を創出しなければなりません。
ポジショニングの工程では「ポジショニングマップ」と呼ばれるフレームワークを用いて自社の立ち位置を明確にします。ポジショニングマップは、X軸とY軸を使って製品やサービスの位置を可視化する手法です。
たとえば「価格」「品質」「デザイン性」「機能性」「コストパフォーマンス」「革新性」「伝統性」などの指標にもとづいて、自社と競合他社の製品をX軸とY軸に配置します。マップ上にそれぞれをプロットすることで、自社のプロダクトと競合製品の関係性を視覚的に把握でき、差別化戦略を立案・策定する際の判断材料となります。
マーケティング・ミックス
マーケティング・ミックスとは、マーケティング活動で顧客にアプローチするための手法です。市場分析で市場の動向を把握して、STP分析でマーケティング活動の基本戦略を定め、マーケティング・ミックスで具体的なアプローチ方法を策定します。マーケティング・ミックスではさまざまな分析手法が用いられますが、代表的なフレームワークとして挙げられるのが「4P」と「4C」です。
4P
4Pとは、Product(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(販売促進)の頭文字をつなげた略称で、この4要素を関連付けて分析するフレームワークが「4P分析」です。4P分析の役割は製品を提供する企業側の視点で、どのような製品やサービスを、どのような価格で、どの流通経路を介して、どのように販売促進や広告宣伝を展開するかの指針を策定することです。
まず、Productで自社の製品・サービスの強みや弱み、品質、独自性、優位性、デザイン性、コンセプトを分析し、Priceで製品の原材料費や利益率、競合価格などを考慮しながら、適正価格を設定します。次にPlaceで販売場所や流通経路を設計し、Promotionで販売促進、広告宣伝、広報活動を策定するのが4P分析の基本的なプロセスです。
4C
4Cとは、Customer Value(顧客価値)、Customer Cost(顧客コスト)、Convenience(利便性)、Communication(コミュニケーション)の頭文字をつなげた略称で、これら4つの要素を顧客視点で分析するフレームワークが「4C分析」です。顧客視点にもとづいてマーケティング活動の実行戦略を設計し、顧客のメリットと利益の最大化を図り、市場の競争優位性を確立することが4C分析の目的です。
Customer Valueは製品を利用して顧客が受け取る価値を指し、Customer Costは購入費用、維持費、使用時の手間など顧客が支払う総合的なコストを意味します。Convenienceは顧客が購入するチャネル、流通経路、アクセスのしやすさといった利便性を指し、CommunicationはWebサイト、SNS、メールマガジン、イベントの開催、テレアポといった顧客接点を創出する方法を意味します。
マーケティング施策の実行
BtoBのビジネスモデルはBtoCと比較してターゲット顧客の数が少ないため、いかにして受注確度の高い見込み客を効率的に発掘するかが重要です。ここでは、マーケティング施策の実行について、以下の各プロセスに分けて解説します。
- 顧客の創出(リードジェネレーション)
- 顧客の育成(リードナーチャリング)
- 顧客の選別(リードクオリフィケーション)
- 商談・受注
- 顧客の維持
顧客の創出(リードジェネレーション)
リードジェネレーション(Lead Generation)とは、自社の製品やサービスに関心を持つ見込み客を発掘することです。見込み客のことをリードと言います。獲得するリードの質と量がマーケティング戦略の投資収益率(ROI:Return On Investment)に大きく影響します。
多くのリード獲得方法があるため、見込み客に適した手法を選定することが重要です。おもな手法としてWeb広告、コンテンツマーケティング、SNS、展示会、テレアポなどがあります。リードジェネレーションでは多様なチャネルを活用して見込み客を創出するとともに、受注確度の高いリードの属性を特定することが重要です。
顧客の育成(リードナーチャリング)
リードナーチャリング(Lead Nurturing)とは、獲得した見込み客の購買意欲を高めて顧客化を促進することです。「AIDMA」と呼ばれる購買行動のモデルでは、「認知(Attention)」→「興味・関心(Interest)」→「欲求(Desire)」→「記憶(Memory)」→「行動(Action)」というプロセスを辿ります。
たとえばWebサイトから製品の問い合わせをしてきたユーザーは、自社の製品を認知していても、必ずしも興味・関心を抱いているとは限らず、そのままでは購買につながる可能性は高くありません。そこでメールマーケティングやフォローコールなどの施策で購買意欲を高め、商談へつなげることがリードナーチャリングの目的になります。
他には、問い合わせに対して製品の情報や導入時のベネフィットなどを丁寧に紹介することで、見込み客の疑問や不安が解消するかもしれません。こうしたコミュニケーションによって信頼関係を構築し、見込み客の潜在的な需要を読み取りニーズを満たす提案ができれば、成約に至る可能性は高まります。
顧客の選別(リードクオリフィケーション)
リードクオリフィケーション(Lead Qualification)とは、創出見込み客のなかから受注確度の高い見込み客を選定することです。継続的なコミュニケーションで一定の信頼関係を構築できたとしても、商談化・案件化に至る見込み客は限られます。商談化につなげるためには成約可能性の高いリードを選別し、営業部門に見込み客を引き渡す必要があります。
そこで必要となるのが見込み客の購買意欲を数値化する「リードスコアリング(Lead Scoring)」です。
たとえば、「一般的な問い合わせ:2点」「製品に関する問い合わせ:5点」「返信に対するお礼メール:5点」「ホワイトペーパーのダウンロード:10点」「Webセミナーの参加:15点」など、見込み客のアクションに対してスコアを設定します。ここにホットリード(商談化する可能性の高い見込み客)のスコアを定義すれば、受注確度の高い見込み客を効率的に選定できます。
商談・受注
受注確度の高いリードを営業部門に引き渡し、見込み客との商談によって成約を目指す工程です。選別したリードからアポイントメントを取得できれば、次は商談でのヒアリングを通じて見込み客の課題を深掘りし、課題解決につながるソリューションを提案します。その後、見込み客が購買に意欲的であると判断できれば、クロージングに進むのが一般的な流れです。
商談・受注のフェーズは基本的に営業部門の業務ですが、案件化率、契約率を高めるためにはマーケティング部門の事前リサーチが重要です。市場調査やリードの育成・選別などによって見込み客のニーズを分析し、そのデータを営業部門に引き渡すことで、効果的な提案やクロージングが可能となります。そのため、見込み客からの想定される質問、コスト面の所感などを探り、マーケティング部門と営業部門とが連携して商談の事前準備を重ねることが重要です。
顧客の維持
マーケティング戦略や営業戦略は新規顧客の獲得で終わりではなく、既存顧客との関係を維持するためにリテンションマーケティング(Retention Marketing)を推進する必要があります。
売上を拡大する方法は、原則として「新規顧客の創出」、「顧客単価の上昇」、「購買頻度の向上」の3つです。したがって、売上を拡大するためには新規顧客の創出だけでなく、アップセル(より高単価な商品の販売)やクロスセル(関連する別商品の販売)による顧客単価の上昇や、リピート顧客による購買頻度の向上が必要です。
たとえば既存顧客の購入頻度や購入金額、問い合わせ履歴などの行動データを分析し、再購入意思の高そうな顧客を選定できれば、製品の上位モデルや関連製品の購入につながる可能性があります。さらに、製品の購入後も定期的なアンケートやヒアリングを実施し、丁寧なアフターフォローを提供すれば、既存顧客のロイヤルカスタマー化につながります。これにより、取引の長期的な持続や新たな見込み客の紹介が期待できます。
評価・管理
企業が持続的に発展するためには、マーケティング戦略を継続的に改善することが不可欠です。現代はデジタル化の進展に伴い、市場の変化が速くなっており、戦略の陳腐化や製品のコモディティ化が加速しています。したがって、施策の実行後は効果測定で成果を検証し、検証データにもとづいて仮説を立て、戦略の軌道修正や施策の見直しを繰り返す工程が必要です。
たとえば、見込み客の獲得率が向上しても商談化率が上がらない場合、リードナーチャリングやリードクオリフィケーションの工程に問題があると推察できます。また、BtoBのビジネスモデルはBtoCと比較して複数の部署や担当者が関与することが多く、成約までのリードタイムが長いため、正確な投資収益率(ROI)の算出が困難です。効果測定の精度を高めるためには、後述するマーケティングオートメーション(MA)やアナリティクスなどを活用する必要があります。
BtoBマーケティングで戦略立案をする際のポイント
BtoBマーケティング戦略を立案する場合には、以下の5つのポイントを意識することが重要です。
- 顧客の困りごとを洗い出す
- 施策から入らない
- 部門間の連携を強める
- データを整備し、共有する
- マーケティングツールを最大限に活用する
顧客の困りごとを洗い出す
BtoBマーケティングにおける重要課題のひとつは、見込み客の潜在的な需要の発掘です。そのためには、見込み客が抱える課題や悩み、望んでいる状態を理解し、それに対して自社の製品がどのように貢献できるのかを深く掘り下げる必要があります。
特に重要なことは、解決できた姿を訴求することです。競合他社が提供できないメリットを示すことで、自社の優位性をアピールできます。短期間で実現できる施策ではないため、継続的なコミュニケーションを通じて顧客理解を深め、過去の取引事例から共通項を分析し、個別化されたアプローチを探る必要があります。
施策から入らない
マーケティング活動では「何をするのか」よりも「なぜ、それをするのか」という目的を持つことが重要です。BtoB企業の顧客は、娯楽や好奇心にもとづく情緒的な判断基準ではなく、課題の解決や売上の増大など合理的な理由で成約に至ることが一般的です。
たとえば、展示会で大規模なデモンストレーションを行ったり、強烈な印象を与えるパフォーマンスを実行したりしても、見込み客の需要に合致していなければ、商談化につながることはありません。見込み客の潜在的な需要を発掘し、ニーズを満たすためには必要な施策を見極めましょう。
部門間の連携を強める
BtoBマーケティングで成果を出すには、部門横断的な情報共有と業務連携が不可欠です。BtoCマーケティングが不特定多数の見込み客にアプローチを行うのに対し、BtoBマーケティングでは特定の見込み客にパーソナライズされた具体的なアプローチが求められます。
そのため、マーケティング部門と営業部門が顧客情報や営業フローの進捗を共有し、状況に応じて戦略やアクションを修正する必要があります。こうした連携体制を整えるためには、後述するSFAやCRMといったツールの活用が有効です。
データを整備し、共有する
部門横断的な情報共有の仕組みを構築するために、データマネジメントの体制を整えます。たとえば、商談履歴や取引履歴などのトランザクションデータ、または見込み客の顧客マスタデータに重複や不整合が生じている場合、データの整合性が損なわれ、需要分析や購買行動分析に影響を与えます。
そのため、マーケティング活動や営業活動を通して収集・蓄積されたデータを統合的に管理する仕組みやツールが必要です。定量的なデータ分析にもとづいて戦略の改善や予算配分の見直しを行うことで、マーケティング戦略の投資収益率(ROI)の向上が期待できます。
マーケティングツールを最大限活用する
BtoBマーケティングの成果を最大化するためには、コア業務に人的資源を集中する必要があります。マーケティングオートメーション(MA)を活用して定型メールの送付などのノンコア業務を効率化できれば、需要分析やリードナーチャリングなどのコア業務に人的資源を投入できるようになります。
MA、SFA、CRMなどは、データを起点とするロジカルな意思決定をサポートし、戦略の立案や施策の策定といった業務の効率化に役立ちます。人的資源の効率的運用を目的とするのであれば、コンサルタントによる戦略支援や定型業務のアウトソーシングなどの選択肢も検討するべきです。
BtoBマーケティングに使われるツール一覧
マーケティング活動を効率的に推進するためには、戦略的にツールを活用することが欠かせません。BtoBマーケティングに必要なツールとして挙げられるのが、以下の4つです。
- MAツール
- SFA・CRM
- アナリティクス
- BIツール
マーケティングオートメーション(MA)ツール
マーケティングオートメーション(MA: Marketing Automation)ツールは、マーケティング活動の効率化・自動化に特化したツールです。見込み客や顧客の情報管理、リードスコアリングによる見込み客の購買意欲の数値化、ステップメールやセグメントメールの配信、施策の成果や見込み客の行動分析のレポート作成といった機能が搭載されており、マーケティング活動における工数を削減できます。
後述するSFAやCRMとの親和性に優れ、マーケティング活動に関する部門横断的な情報共有や業務連携を可能にします。
SFA・CRM
SFA(Sales Force Automation)は、営業活動における一連の業務フローを支援するツールです。案件管理、商談管理、活動管理、日報管理など、営業活動に関わる情報を一元管理できます。
CRM(Customer Relationship Management)は、顧客関係の統合的な管理に特化したツールです。顧客の詳細なプロファイル管理、顧客分析、マーケティング支援、プロモーション管理といった機能を備えています。SFAは営業活動のタスク管理や進捗管理を得意とし、CRMは顧客情報の統合管理やアフターサポートといった領域に特化しています。
アナリティクス
アナリティクスは「Google Analytics」や「Google Search Console」のような解析ソリューションを指します。たとえばGoogle Analyticsでは、Webサイトへの流入経路や自然検索流入数、ユーザーの滞在率や直帰率、スクロール深度、コンバージョン率などを分析できます。ユーザーの行動データを分析して、Webサイトの改善を図るだけでなく、キャンペーンの成果を可視化することが可能です。
BIツール
BI(Business Intelligence)ツールは、データの可視化に特化したツールです。DWH(データウェアハウス)に格納された構造化データをグラフやチャートに変換して、文字と数値の羅列でしかないデータを視覚的に分析できます。代表的な製品として、直感的な操作や多彩なビジュアル表現に優れ、複雑なデータセットの可視化を支援する「Tableau」が挙げられます。また、Microsoft製品との親和性に優れる「Microsoft Power BI」や、初心者でも扱いやすい「Looker Studio」も人気があります。
BtoBマーケティングのリード獲得に使われる手法6選
BtoBマーケティングの重要な課題は、受注確度の高い見込み客を発掘することです。見込み客の獲得に用いられる代表的な手法として、以下の6つがあります。
- 【オフライン】
- 展示会
- テレアポ
- 【オンライン】
- Webセミナー
- ホワイトペーパー
- コンテンツマーケティング
- Web広告
【オフライン】展示会
展示会で製品のデモンストレーションやプレゼンテーションを行い、見込み客に直接アピールする手法です。展示会に出展することで、訪問者との交流が生まれ、名刺や連絡先の交換を通じてリードの獲得につなげられます。ただし、受注確度の低い見込み客が含まれていることもあるため、注意が必要です。
【オフライン】テレアポ
電話営業で潜在顧客や見込み客にアプローチする手法です。アポイントメントの獲得率は決して高くありませんが、スタッフのスキル次第では、思わぬ見込み客を獲得できる可能性があります。ユーザーの反応を即座に得られるため、Web集客よりも短期間で成果を出せます。
また、Web広告やコンテンツマーケティングでは能動的に製品に関連した情報を探している企業しか集客できない一方、テレアポはプッシュでまだ明確に課題意識を持っておらず情報収集をしていない企業のリードを獲得できるのもメリットの一つです。
【オンライン】Webセミナー
Webセミナーはオンライン上のチャネルでリードを獲得する代表的な手法のひとつです。Webセミナーを開催して製品やサービスの情報を提供するとともに、見込み客が抱えている悩みや課題を引き出すことができれば、課題に対する具体的な解決策やソリューションを提案できる可能性が高まります。
【オンライン】ホワイトペーパー
見込み客にとって有益な資料をWebサイト上で配布し、ダウンロードと引き換えに企業名や連絡先などの顧客情報を獲得する手法です。興味の段階が浅い企業で製品資料請求や問い合わせによる商談設定を躊躇する場合でも、お役立ち資料であればダウンロードされることがあります。このように購買意欲の低い企業も含めて広くリードを獲得できるというメリットがあります。
ユーザーの悩みに深く刺さる高品質な資料を作成できれば長期的にリードを獲得できます。一度作れば長期間使用できるため、コストパフォーマンスに優れる施策です。
【オンライン】コンテンツマーケティング
オンラインチャネルを活用して、顧客の課題解決や悩みの解消につながる有益なコンテンツを提供して、信頼関係の構築や購買意欲の醸成につなげる手法です。検索エンジンの上位表示やSNSのフォロワー獲得には相応の工数を要するものの、見込み客の行動分析やリードナーチャリングを効率的に推進できます。
成果が出るまでに時間がかかるというデメリットがある一方で、一度制作したコンテンツは継続的に成果を出し続けるため、長期で見ると他の施策と比べてROIが良くなるメリットがあります。
【オンライン】Web広告
Web広告はオンライン媒体に出稿される広告の総称です。クリック数やインプレッション数の計測が容易、ターゲティングがしやすいという利点があります。代表的なWeb広告としては、Webサイトに表示されるディスプレイ広告や、検索キーワードに連動して表示されるリスティング広告などがあります。
これらの手法はあくまでも一例であり、自社のビジネスモデルや競合他社との関係性によって適した施策は異なります。重要なのは、多様なチャネルを活用して顧客接点を創出し、継続的なコミュニケーションを図りながら見込み客との信頼関係を構築することです。見込み客の課題や悩みを理解し、課題解決につながるソリューションを提案することが、マーケティング戦略の本質的な役割です。
まとめ
BtoBマーケティングは企業間取引を主体とするマーケティング活動です。この活動は、市場調査で参入市場と自社の立ち位置を明確にし、見込み客の潜在的な需要を発掘してリードを獲得、育成、選定するというプロセスを辿ります。
さらに、見込み客との商談を通じて成約を目指し、契約締結後は継続的なコミュニケーションによって、既存顧客をロイヤルカスタマー化することがBtoBマーケティングの基本的なプロセスです。
リードジェネレーション、MA活用/ナーチャリングをはじめとしたBtoBマーケティングに関するご相談はSells upに
業種や企業規模を問わず、これまで約80社を支援してきたSells upが、貴社が描くゴール/成果に向けたBtoBマーケティングを支援いたします。まずは、貴社の目標/理想の状態やリードジェネレーション/ナーチャリングに関するお悩みをお気軽にお知らせください。