BtoBマーケティングの手法一覧|手順や成功のポイントについても解説
リードジェネレーション、MA活用/ナーチャリングをはじめとしたBtoBマーケティングに関するご相談はSells upに
業種や企業規模を問わず、これまで約80社を支援してきたSells upが、貴社が描くゴール/成果に向けたBtoBマーケティングを支援いたします。まずは、貴社の目標/理想の状態やリードジェネレーション/ナーチャリングに関するお悩みをお気軽にお知らせください。
ビジネス成功のために、マーケティングは重要です。本記事では、BtoBマーケティング手法のメリットやデメリット、成功させるためのポイントを解説します。
BtoBマーケティングとは?
BtoBとは"Business to Business"の略であり、企業間取引を意味します。例えば、自動車メーカーと販売会社、ハウスメーカーと下請けの工務店、卸売業者と小売業者などの取引が該当します。
BtoBマーケティングは、法人を対象として自社の製品を購入してもらうための活動です。具体的には、自社のWebサイトを検索順位の上位に表示させるSEO、Web広告、SNS運用、セミナー、展示会などがあります。
BtoBマーケティングとBtoCマーケティングの違い
BtoBとBtoCのマーケティングの違いとして、ターゲットが挙げられます。BtoBでは絞り込んだ特定の業種や企業規模の会社をターゲットとすることが多く、マーケティング対象がBtoCと比べて少ないです。
購入や契約にいたるまでの意思決定者数が異なるのも特徴です。企業では、製品の購入を1人で決定することは少なく、多くの場合、複数の意思決定者が関わり、購入や契約にいたるまでに時間がかかります。
購入目的にも違いがあります。BtoCは生活の改善や娯楽目的、企業は現状の課題解決が主な目的です。例えば、業務効率化や投資利益率の改善が目的となります。
BtoBマーケティングの手順
BtoBマーケティングを成功させるには、適切な手順で取り組む必要があります。環境分析、戦略立案、施策実施、データ分析と改善の流れで進めるのが基本です。
環境分析をする
環境分析は、自社を取り巻く経営環境を客観的に分析することです。市場における自社のポジションや脅威を正確に把握しないと、適切な経営戦略は立てられません。環境分析は内部分析と外部分析を中心に行います。
具体的な分析手法には、3C分析とSWOT分析があります。まず3C分析で顧客のニーズや市場の動向、自社の強み、弱みを抽出します。抽出した情報を基に、SWOT分析で強み、弱み、機会、脅威を洗い出します。
3C分析
3C分析は市場環境の分析に用いるフレームワークです。3CはCustomer(市場・顧客)、Company(自社)、Competitor(競合)を指します。
市場の分析項目は、市場規模、成長性などです。顧客の分析項目は購買行動、ニーズ、購買プロセスなどがあります。自社の分析項目は製品特徴、資産状況、市場シェア、リソース状況です。競合の分析項目は、業界内のポジション、市場での影響力、顧客数、商品の特徴です。
SWOT分析
SWOT分析は、内部環境の強み(Strength)と弱み(Weakness)、外部環境の機会(Opportunity)、脅威(Threat)を軸に分析する手法です。プラス面とマイナス面を抽出し、現状把握と計画立案に役立てます。
戦略を立案する
戦略立案は、環境分析で得た情報をもとにSTP分析を行い、戦略を策定します。STP分析では、市場を細分化(Segmentation)し、ターゲットを定め(Targeting)、自社の立ち位置を決める(Positioning)手法です。
まず、自社の強みを抽出し、セグメントした市場からターゲットやニーズを定めます。ペルソナ設定は業界、部署、役職、ニーズ、課題などを軸に行います。また、KPIやKGIを設定し、目標から逆算して達成のための戦略、戦術、実行プロセスをシナリオ化します。
STP分析とは?
STP分析は、細分化した市場で狙う場所と立ち位置を分析し、マーケティングの戦略を策定する手法です。新規事業では、狙う市場やターゲットの明確化が重要で、自社と市場の精緻な分析が欠かせません。
既存プロダクトで利益拡大を狙うなら、市場を絞るよりターゲットの解像度を高めるほうが効果的です。すでに成功している市場に集中してマーケティングを展開することで、受注率や商談転換率を向上できます。
施策の実施
STP分析で市場を決めたら、4P分析で具体的なマーケティング手法を検討します。マーケティング手法はオフラインとオンラインの2種類があります。オフラインとオンラインの手法を組みあわせて、集客、リード獲得、育成、商談の獲得などへつなげます。
4P分析とは?
4P分析は、マーケティング戦略の構築に有効で、多くの企業で採用されているフレームワークです。製品(Product)、価格(Price)、流通(Place)、販促(Promotion)の4視点から分析し、施策に活かします。
製品の分析は、強みや魅力、競合優位性や劣る点を抽出します。価格の分析も重要です。価格と価値のバランスが悪いと購入されませんので、徹底して分析します。
流通の分析では、提供方法や販売場所を考えます。製品の特徴、性質、ターゲット層を考慮して適切なチャネルを設定します。
販促の分析は、製品とターゲットの組み合わせに適したプロモーション手法や宣伝媒体の選定に役立てます。
データの分析と改善
マーケティングは施策を実施して終わりではありません。施策に効果があったのか、どの程度の成果を得られたのかをデータで検証する必要があります。効果を測定して検証しないと、コストに対する成果を把握できず、無駄な施策に資金を使ってしまう恐れがあります。
大切なのは、効果測定、分析、改善のサイクルを回し続けることです。マーケティング施策は最初からうまくいくとは限りません。データを基に分析と改善を繰り返すことで、マーケティング施策がブラッシュアップされます。
施策レベルではなく、戦略そのものに問題がある場合も少なくありません。主軸の戦略に問題があると、望む成果は得られません。定期的な戦略の見直しが求められます。
BtoBマーケティングでの顧客とのリレーション
BtoBマーケティングでは、顧客とのリレーションが重要です。顧客が自社の製品を知ってから購入してリピーターになるまで良好な関係を維持し続けることが大切です。それを実現するための流れが、「リードジェネレーション、リードナーチャリング、リードクオリフィケーション、商談・受注、継続」のプロセスです。
リードジェネレーション
リードは見込み客を指し、リードジェネレーションは見込み客を獲得する活動です。テレアポ、メルマガ、セミナーなどでターゲットとの接点を作り、氏名、住所、電話番号、メールアドレスなどの情報を獲得します。
リードジェネレーションでは、顧客との接点となった媒体ごとのROIを測定することが重要です。ROIは"Return On Investment"の略で、投資額に対して創出した利益を測る指標です。
具体的には、獲得したリード数にリードあたりの平均契約単価もしくはLTVをかけたものを、コストで割って算出します。計算には、リード獲得後の商談化率、契約率、LTVなどのデータが必要です。
リード獲得の段階で費用対効果が悪くても、施策を止めるのは早計です。後述するナーチャリングの結果も踏まえて判断しましょう。
リードナーチャリング
リードナーチャリングは、見込み客を育成する活動です。見込み客の興味を引く情報を提供し、継続的にアプローチして購買意欲を高め、商談や受注につなげます。
見込み客の育成では、購買シグナルを見逃さないことが大切です。例えば、同じWebページや料金ページを繰り返し見る行動です。購買意欲の高い見込み客に共通した行動をMAツールなどで検知し、成功事例や導入メリットなどの情報をメールで送ることで、商談化率や契約率を高められます。見込み客が製品を欲したタイミングですぐに連絡して、選択肢に入れてもらうことが大切です。
リードクオリフィケーション
リードクオリフィケーションは、見込み客を選別する活動です。育成した見込み客の中から、購買意欲の高い層を抽出することで、効率的な営業活動が可能です。
選別に用いる手法はスコアリングです。例えば、資料請求ページへアクセスしたら2点、問い合わせフォームを2回開いたら5点など基準を設けてスコアを付与します。MAツールを導入すれば、シナリオに従って見込み客の行動をスコアリングできます。
どのような行動やフローの見込み客が購買につながりやすいかを把握することも大切です。契約確度の低い営業対象外リードの定義を決めると営業効率を改善できます。
商談・受注
受注の確度が高い見込み客には、メールや電話でアプローチし商談につなげます。リードの行動履歴はニーズや課題を探るうえで重要な情報です。商談時のトークに役立てるため事前に確認しておきましょう。
獲得したリードへの架電は5~10分以内が望ましいです。マーケティングや営業に強い企業は、リードが入ってきた直後に電話することを徹底しています。早ければ早いほど接続率、商談化率は高くなるためです。
インサイドセールスがアプローチする際、丁寧なヒアリングと顧客の課題にあった提案をできると商談化率が高まります。製品導入済の顧客の課題を分類し、課題ごとの成功事例を含むトークスクリプトを用意するとスムーズに商談に誘導できます。
インサイドセールスからフィールドセールスへの引き継ぎ時には、細かく情報共有しましょう。情報共有が足りないと、見込み客に何度も同じ説明や質問を繰り返すことになり、悪い印象を与えてしまいます。インサイドセールスがヒアリングした内容をフィールドセールスに漏れなく引き継ぐことは、良い提案をするために欠かせません。
継続
SaaSやサブスクリプションサービスでは、いかに継続してもらうかが大切です。解約リスクを低減するには、顧客との接触頻度を高めることが有効です。
例えば、ユーザーの悩みを積極的に聞き取り、課題解決のアドバイスをする、追加の提案を行うなどが考えられます。人と人とのやり取りであるため、対面での接触頻度を高めることは良好な関係の構築に役立ちます。
自社のサービスの利用状況を把握できるシステムもあります。設定した基準値を下回るとアラートが出るシステムを導入すれば、解約リスクが高い顧客を速やかに察知でき、適切な対応が可能です。
例えば、長期間連続してSaaSにログインしなかった顧客は、次の契約更新のタイミングで終了になる可能性が非常に高いです。状況をヒアリングして適切な支援をすることで、再度使ってもらうきっかけを作れます。
オンラインのBtoBマーケティング手法一覧
リードジェネレーションにはオンラインの手法がおすすめです。具体的には、SEO、Web広告、コンテンツマーケティング、SNS広告などがあります。それぞれの特徴を説明します。
SEO
SEOとは検索エンジン最適化のことです。検索エンジンで上位にすることで集客する取り組みです。検索結果ページの上位に表示されると、製品の認知拡大につながります。関連した調べものをしている人を集客できるため、来訪者の成約率は高いです。
キーワードごとに製品への興味関心の度合いに大きな差があります。いますぐ製品を買いたい人もいれば、何となく興味を持って調べているがまだ買うつもりはまったくない人もいます。キーワードごとに異なる検索意図を満たすために、ページごとの情報設計が重要です。
SEOのメリットは集客が積み上がっていくことです。広告は出稿を停止すれば成果がすぐに無くなってしまうのに対して、SEOは施策を停止しても流入は一部維持されます。そのため、長期で見ればとても費用対効果の高い施策です。
デメリットは成果がでるまでに時間がかかることです。会社としての知名度やサイトの運用期間など様々な要素で成果が出るの期間は変わりますが、6ヶ月~12ヶ月程度継続する前提で取り組むことを推奨します。また、一度実施して終わりではなく、継続的な活動、検証、改善が求められます。また、施策を行っても必ずしも検索順位が上がる保証はなく、アルゴリズムのアップデートにも影響を受けます。
Web広告
BtoBのマーケティングには、Web広告がよく用いられます。Web広告には多くの種類があり、それぞれに特徴やメリット、デメリットがあります。
リスティング広告
リスティング広告は、ユーザーの検索キーワードに関連する広告を検索エンジンの検索結果ページの上部、下部に表示するもので、検索連動型広告とも呼ばれます。狙ったキーワードで検索結果ページの目立つ位置に広告を表示し、短期間で成果を出る点が魅力です。上手くいけば広告を開始して数時間のうちにリードを獲得できます。
リアルタイムで費用対効果を確認できるのもメリットです。広告の表示回数やクリック率、コストを確認でき、データに基づく検証と改善が容易です。
デメリットはクリック単価(CPC)が高くなって費用対効果があわない可能性があることです。人気のキーワードほどクリック単価が高騰しやすいため注意が必要です。
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告とは、Webサイトやアプリの広告枠に表示される広告です。画像、動画、テキストを組みあわせたバナー広告やレスポンシブ広告などの種類があります。
様々なWebサイトやアプリに広告を配信できるため、潜在層へのアプローチに有効です。テキストだけでなく、動画や画像も利用でき、広告の内容次第で強烈なインパクトを残せます。
メリットはニーズが顕在化していない層へ認知を広げられることです。クリック単価が低いため、広く知ってもらう用途に向いています。一方、SEOやリスティング広告の来訪者と比べると、ディスプレイ広告経由の来訪者は製品への興味関心が低く、成約率も低い傾向があります。
リターゲティング広告
リターゲティング広告は、自社サイトやLPにアクセスしたユーザーのcookie情報をもとに配信する広告です。付与したcookie情報を追跡して、ユーザーが自社サイトを離脱したあとも行く先々のWebサイトに広告を表示します。
自社サイトを訪問した見込み客に繰り返しアプローチできる点が魅力です。接触頻度の増加によって、自社サイトへの再訪問を促せます。
デメリットは、ユーザーにネガティブな印象をもたれるリスクがある点です。ユーザーの行く先々で広告を表示するため、しつこいと思われてしまう可能性があります。この問題は表示回数の上限や期間を適切に設定することで解消できます。
ネイティブ広告
ネイティブ広告とは、Webサイトのコンテンツに自然に溶け込んでいる広告です。まるでコンテンツの一部のように表示されるため、ユーザーに不快感を与えにくく、潜在層に効果的にアプローチできます。
魅力は、広告と認識されにくく、CVにつながりやすい点です。ユーザーにストレスを与えにくく、SNSで広告が拡散される可能性もあります。
デメリットは、運用までに時間とコストがかかる点です。特定のWebサイトへ溶け込むようなコンテンツを作成するため、時間とコストがかかります。個々のWebサイトに溶け込ませる必要があるため、複数サイトでの使いまわしが困難です。
アドネットワーク広告
アドネットワーク広告は、複数の広告媒体で構築された配信ネットワークを利用する広告です。Webサイトだけでなく、ブログやソーシャルメディアなど複数の広告媒体にまとめて配信でき、広告出稿の工数を大幅な削減できる点がメリットです。
アドネットワーク広告は、データを一元管理できるため、媒体ごとに効果測定をおこなう手間が省けます。地域、曜日、時間、ユーザーの興味関心などで細かくターゲティングでき、広告の運用効果を高められます。
配信先を完全には制御できないため、意図しないWebサイトに広告が掲載されるリスクがあります。掲載先によっては、企業や製品のイメージ低下につながることもあります。
アフィリエイト広告
アフィリエイト広告は成果報酬型の広告です。アフィリエイターのWebサイトやブログに広告を掲載し、成果に出たら報酬を支払います。
CVに直結しやすい点が魅力です。アフィリエイターは、ユーザーに広告をクリックしてもらい、製品の購入につながらなければ収入を得られません。そのため、体験談などを交えて製品の紹介を丁寧に行います。
一方、虚偽や誇大表現で製品をプロモーションされるリスクがあります。また、BtoB商材の場合はBtoCに比べて成果が出にくい傾向があります。
SNS広告
SNS広告は、Facebook、X(旧Twitter)、Instagramなどのプラットフォーム上に配信する広告です。SNSによって出稿方法、コスト、メインユーザー層が異なるため事前リサーチが必要です。
SNS広告の魅力は、ターゲティング精度が高い点です。地域や性別、年齢、SNS上のやり取り、フォローしているアカウントなどのデータを用いてターゲティングできるため、効果的に広告運用できます。また、魅力的な広告はユーザーに拡散されやすい点もメリットです。拡散によってより多くのユーザーに広告を見てもらえ、認知度が上がります。
一方、広告の内容が不適切だと炎上し、企業や製品イメージの低下する可能性があります。
コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングは、有益な情報を継続的に発信し、ユーザーに見つけてもらいリードや契約につなげる手法です。オウンドメディア、SNS、ホワイトペーパー、ウェビナー、動画など様々なコンテンツの形式があります。
自社サイトやSNSで、製品の宣伝ばかりしていると、ユーザーに嫌悪感を抱かれかねません。一方、コンテンツマーケティングはユーザーが興味を持つ内容や有益な情報を配信するため、嫌悪感や不快感を軽減できます。
デメリットは、コンテンツ作成に時間がかかる点です。制作を外注すると時間は短縮できますが、コストがかかります。また、中長期的な視点で取り組むため、即効性はあまり期待できません。
SNSマーケティング
SNSマーケティングは、FacebookやX(旧Twitter)、Instagram、LINE、TikTok、YouTubeなどを利用した手法です。SNSで情報を発信し、自社商品の認知拡大やユーザーのファン化を狙います。
多くのSNSはアカウントの開設や運用が無料のため、費用を抑えたマーケティングが可能です。発信内容によっては、ユーザーに拡散してもらえ、自社と接点のない層にも情報を届けられます。顧客の声を拾って反応することで、距離感を縮められる効果もあります。
BtoBマーケティングでもSNS活用が増えています。BtoCのSNS運用では企業や製品の公式アカウントを使いますが、BtoBでは従業員の個人名で各自が運用することが多いです。個人名を出すことで名刺代わりにフォローし合い、顧客接点を増やせます。一方、従業員にアカウントが紐づくため、インフルエンサー化した従業員が退職するリスクや、運用が属人化して拡大しにくい難しさもあります。
メールマーケティング
ビジネスシーンではメールが多く活用されるため、BtoBマーケティングでもメールは有効です。メールマーケティングには、メールマガジンやステップメールなどがあります。
メールマガジン
メルマガは、メールアドレスを登録してくれたユーザーにメールで情報を配信する手法です。コラム、製品情報、キャンペーン情報、新製品の告知などメルマガの情報は多岐にわたります。
メルマガの魅力は、定期配信で見込み客や既存顧客とのつながりを維持できる点です。良好な関係の構築、維持ができ、製品の販売促進につながります。
シナリオメール・ステップメール
シナリオメールやステップメールは、作成したシナリオに沿って段階的にメールを配信する手法です。段階ごとに送るメールを作成し、ユーザーのアクションによって次のメールが自動的配信されます。
メルマガよりも効果的なタイミングでユーザーにアプローチできる点が魅力です。一方、CVにつながるシナリオ作成の難易度が高く、配信ツールの導入にコストがかかるデメリットもあります。
ウェビナー
ウェビナーは、オンラインで実施するセミナーです。BtoBマーケティングでもよく採用され、会場を用意しなくてもよいので費用を抑えやすく、遠方のユーザーにも参加してもらえるメリットがあります。
ウェビナーは、情報を発信するだけでなく、チャットで双方向のコミュニケーションも可能です。一方、ユーザーと直接顔をあわせないため、他の仕事をしながら参加され集中して聞いてもらえない、感情や反応を読み取りにくいなどのデメリットもあります。
自社で単独開催するほか、他社主催のイベントや共催セミナーに参加する方法もあります。ネームバリューのある企業のウェビナーなら、知名度や話題性が期待でき、集客に有利です。
マーケティング・オートメーション
MA(マーケティング・オートメーション)ツールの利用は、BtoBマーケティングでは一般的です。MAツールは、マーケティング活動を自動化し、顧客情報の収集や一元管理、メールの一斉配信、分析、顧客のスコアリングなどを行い、労力や工数を大幅に削減できます。
デメリットはデータの整備が必要な点です。CRM・SFAで管理しているリストやウェビナーで獲得した情報をデータ化しMAに取り込む手間がかかります。特に、社名の表記揺れなどデータが汚い状態だと、名寄せするのに時間がかかります。
プレスリリース
プレスリリースは、企業や団体がメディアへ情報を提供し、報道してもらう手法です。自社の取り組みや新製品の情報を報道してもらうことで、社会的信頼性を獲得し、認知の拡大につながります。
費用もあまりかからず取り組みやすい手法ですが、提供した情報が必ず報道されるわけではありませんので、成果を予測しにくいです。また、メディアで報道される内容はコントロールできないため、伝えたいメッセージが省略される、強調してほしくないポイントを切り取られるなど意図せぬ報道をされるリスクも考えられます。
ホワイトペーパー
ホワイトペーパーは、お役立ち資料、事例集、製品説明など、見込み客の課題解決につながる情報を記載した資料です。BtoBマーケティングでは、リード獲得にホワイトペーパーを活用することが多いです。
問い合わせや商談予約をするほど購買意欲は高くないが、情報収集をしたい見込み客のリードを獲得できます。問い合わせフォームだけのサイトに、ホワイトペーパーダウンロード用のフォームを設置することで、すぐにリードを増やせます。
ホワイトペーパーの内容が浅かったり、ユーザーにとって有益な情報でなかったりすると、ネガティブな印象を持たれるリスクがあります。また、問い合わせと比べると購買意欲の低いリードが増えるため、インサイドセールスの体制を整え、継続的に情報発信して商談につなげる必要があります。
オフラインのBtoBマーケティング手法一覧
オフラインのマーケティング手法には、マス広告、交通広告、テレアポ、展示会、セミナーなどがあります。
マス広告
マス広告は、新聞やテレビ、ラジオ、雑誌などのマスメディアを利用した広告です。マスメディアの影響力は今もなお衰えていないため、マス広告で幅広い層へ情報を伝えることは、認知度やブランドイメージの向上に有効です。
一方、オンラインのマーケティング手法に比べ、細かいターゲティングができません。媒体によってある程度ターゲットを絞り込めますが、オンライン手法に比べて大雑把になりがちです。また、Web広告に比べてコストが高いのもデメリットです。
交通広告
交通広告は、電車やバス、タクシーの内部、駅構内などに展開する広告です。ステッカー、ポスター、ディスプレイモニターなどが代表的で、公共交通機関を利用するため信頼性の獲得や認知拡大に有効です。
移動中のビジネスマンの目に入りやすく、BtoBマーケティングとして効果が期待できます。また、特定の路線や駅、地域に絞って広告を出稿できるため、ターゲティングも比較的容易です。
マス広告と交通広告に共通したデメリットは、効果測定がしにくいことです。Web広告のように、何人が広告を見たのかといったデータを得られず、検証や改善が容易ではありません。
社名や製品名などでの検索(指名検索)回数の推移をGoogle Search ConsoleやGoogleトレンドのようなツールで追うことで、間接的に効果を計測することができます。
テレアポ
テレアポは、見込み客に直接電話をかけてアプローチするマーケティング手法です。相手と直接コミュニケーションをとれるため、ニーズや課題を把握し、反応にあわせた柔軟に対応できます。一方的にアプローチするため、相手から迷惑がられるリスクがあります。また、無作為に電話をかけると労力と時間が無駄になるため、確度の高い見込み客のリストを作成する工夫が必要です。
対象企業数が限られている業種に特化した製品やエンタープライズ向けの製品の場合、特に1件ずつ丁寧に扱って連絡する必要があります。悪い対応をして連絡できない状態になれば、リストがすぐに枯渇してしまうためです。
展示会
展示会は、様々な企業が集まり製品をプロモーションするイベントです。製品を直接見てもらえ、ターゲット企業の担当者が訪れれば効果的にアプローチできます。
大量の見込み客と直接やり取りできるため、短時間で多くのリードを獲得できます。展示会は会期後の活動が重要です。取得した名刺情報と会場でのヒアリング内容をもとに、電話やメールでフォローすることで、商談や成約を増やせます。
デメリットは、運営や告知にコストがかかる点です。運営に関わる人員の確保、ブースの内装、製品の搬入出、ノベルティのデザインや発注などにも手間と労力がかかり、数カ月間の準備が必要です。
セミナー
オフラインで実施するセミナーは、参加者と直接コミュニケーションをとり、製品の魅力を実感してもらえる点が魅力です。講演やワークショップと同時に開催することもあります。
デメリットは、参加者が必ずしも顧客や見込み客になるとは限らない点です。大勢を集客できても、見込み客にならなければ、費やした時間やコストが無駄になります。規模が大きなセミナーになるほど広い会場が必要で、高額な費用が発生します。
過去リードの掘り起こし
過去に獲得したが商談や成約に至っていないリードに再度アプローチする手法です。電話やメール、ダイレクトメールでアプローチすることで、失注顧客や休眠顧客の一部を商談化できる可能性があります。
過去リードの掘り起こしには正確な顧客情報が必須です。整理された顧客情報をもとに優先順位付けやセグメンテーションを行いましょう。顧客の属性により最適なアプローチ手法は異なるため、個々に合わせて考えることが大切です。
飛び込み営業・紹介営業
飛び込み営業は、事前の約束なしでターゲット企業を訪問する手法です。一部の企業には受け入れられる可能性があるものの、多くの企業からは門前払いを受けます。迷惑がられることが多いにもかかわらず、一部の製品カテゴリの販売では根強く続いているのは、成果が出る製品があるということを示しています。
紹介営業は、既存顧客から企業を紹介してもらう手法です。既存顧客と紹介先企業の担当者が旧知の場合、紹介によってある程度信頼性を嵩上げしてもらえるため、スムーズに契約に至りやすいです。紹介してくれる既存顧客にはキャッシュバックするなどの仕組みを作ると、紹介が増えるかもしれません。
ダイレクトメール発送
ダイレクトメールは、宣伝に用いる郵送物や電子メールを指します。古くからあるマーケティング手法で、キャンペーン案内や新商品のお知らせをハガキや封書で届けます。
自社製品に関心のある見込み客にダイレクトに情報を届けられる点がメリットです。また、ターゲット企業の担当者や決裁権者が普段インターネットを利用しない場合でも、印刷物のダイレクトメールなら情報を届けやすくなります。
ただし、見込み客が興味を示さない内容のダイレクトメールは、かえってネガティブな印象を与えるリスクがあります。発送先に興味関心を持ってもらうために、ターゲットリストを細分化して絞り込んだメッセージを送りましょう。
協会など業界団体
特定の業界に属する企業や職種の方が加盟する業界団体や協会に参加することで、独自のネットワークを構築できる可能性があります。良好な関係を築くことで、商談や共同製品開発につながるケースも考えられます。
業界団体や協会を探す際には、同業界の競合がどの団体に加盟しているか、公式サイトの会社概要ページで確認してみましょう。また、国内の業界団体を一覧でリスト化したWebサイトなどもあるので、こうした媒体を活用するのも手です。
BtoBマーケティングを成功させるためのポイント
BtoBマーケティングでは、ポイントを踏まえた取り組みが求められます。
顧客のニーズを把握する
顧客のニーズを把握できなければ、適切な提案ができません。ターゲットの悩みや課題、求めているのかを把握することが重要です。ニーズ把握の方法には、アンケートやインタビュー調査、マーケティング施策の効果検証があります。
マーケティングではペルソナ設定を行いますが、ペルソナは時間とともに変化します。変化に対応できるよう、継続的に営業担当からヒアリングしてニーズを把握しましょう。例えば、高額商品の受注に至った要因を深掘りします。どのようなニーズをもつ顧客が高額受注につながるのかを把握すれば、今後の施策に活かせます。
効果測定を定期的に細かく実施する
手法ごとに定期的な効果測定を行うことが重要です。受注までのプロセスを追跡し、売上から費用対効果を確認しましょう。成果に応じて各手法のコンテンツや予算配分を見直します。KPIやKGIなど、目標達成への進捗が遅れている場合は、早急に対策を講じましょう。
定期的に効果測定を行うことで、どの手法やアプローチが効果的か確認できます。そのためにはマーケティングだけでなく、営業の観点での振り返りも必要です。マーケティングと営業部門で情報共有し、知見を活用しましょう。
複数の手法を組みあわせる
BtoBマーケティングでは、ひとつの手法に固執する必要はありません。むしろ、ペルソナに合ったアプローチが求められるため、複数の手法を組みあわせたほうが成果につながります。
例えば、ターゲット企業の担当者や決裁権者が取引先を探す際にインターネットを利用していない場合、Web広告やSNSではアプローチできません。この場合、オンライン手法だけでは顧客を取りこぼす可能性があります。
Web広告、SNS、交通広告、セミナーなど、オンラインとオフラインの手法を組みあわせることで、上記のリスクを回避できます。
部門間で情報の共有・連携をおこなう
BtoBマーケティングを成功させるには、部門間で連携を強化し、適切に情報共有を行うことが大切です。連携や情報共有が不十分でと、部門間で認識のずれが生じ、リードクオリフィケーションがうまく進まないリスクが発生します。
営業部門がどのリードが受注につながったか情報共有していないと、マーケティング部門は確度の低い見込み客へ無駄にアプローチする可能性があります。また、すでに受注が決まっている顧客に、マーケティング部門が再度アプローチをしてしまう重複も起こる得ます。
こうした事態を防ぐために、ツールやシステムを活用して情報共有を仕組み化しましょう。リアルタイムで情報共有できるツールやシステムを導入すれば、タイムラグをなくしスムーズな連携が実現します。
目的を明確にする
ツールや施策の目的が不明確だと、余計なコストや時間がかかる可能性があります。特に、MAツールは高機能ですが、すべてのマーケティングプロセスで必要になるわけではありません。
ツールや目的によっては、効果が導入費用に見あわないこともあるため注意が必要です。導入前に、なぜツールを導入するのか、本当にその施策が必要かを検討しましょう。自社や事業の規模、目的にあわせてツールや施策を選ぶことも大切です。
マーケティング支援会社を活用する
マーケティング支援会社は、企業のマーケティング活動を支援するサービスを提供する企業です。様々な施策を提案してもらえるため、マーケティングの内製化が難しい企業に適しています。
マーケティング支援会社ごとに、対応可能な業務領域やサービス内容は異なります。代表的なサービスには、マーケティング・オートメーション(MA)運用、Webサイト作成やリニューアル、アクセス解析、改善提案、Web広告、SEO、コンテンツマーケティング、SNS運用などです。
専門人材がいなくても、支援会社を利用すれば効率的にマーケティング施策を実施できます。BtoBマーケティングを成功させるには、各手法のメリットやデメリットを理解し、適切に取り組むことが重要です。自社に専門人材がおらず、内製化が難しい場合は、マーケティング支援会社の利用を検討してみましょう。
BtoBマーケティングは「Sells up」
Sells up社の強みは、データに基づいた戦略立案と多角的なマーケティング施策により、顧客企業の課題解決と売上向上を実現する点です。顧客の事業ステージや課題に合わせて、広告運用、コンテンツマーケティング、MA活用などを組み合わせ、リード獲得から顧客化までを一気通貫で支援します。
公式サイト:
Sells upが手掛けたBtoBマーケティング事例
1.株式会社CLUEさま | 戦略立案、施策の実行、そして人材育成。非連続な成長を続けるスタートアップのマーケ立ち上げとその裏側
数名の営業担当者を中心に営業活動はできており、プロダクトのPMFも達成はできていたものの、社内にマーケティングの知識がなかった株式会社CLUEさま。
まずは、過去に蓄積していたお客さまのデータやサービスサイトへのアクセスログなどを参考に、各施策ごとの目標数値・マーケティングKPIを設計。
並行して、過去の配信データやユーザーからのリアクションをもとに運用型広告のコミュニケーションやアカウントを設計し、どの媒体のどの広告枠に、入札単価をいくらで設定し、どのようなクリエイティブで配信するかといった運用を実施。
広告のランディング先となるLPは、インサイドセールスやフィールドセールがお客さまとコミュニケーションする中で得られたインサイトや課題感をLPのクリエイティブに落とし込み、お客さまの課題解決に焦点を当てたLPになり、安定してリードを獲得できています。
また、セミナーコンテンツの改善も実施し、「このセミナーコンテンツは本当にお客さまの課題解決になっているか。お客さまが知りたかったことか」など、お客さま視点のコンテンツに仕上げていきました。
セミナー施策後のメール配信にはCRMを活用しており、MAにAccount Engagement を、SFAにSalesforceのツール選定や導入初期の設定なども支援。
オウンドメディアでは、方針だけでなく、どのような記事を公開していくのかといった具体的な記事の内容にまで踏み込み、記事内容を企画する上でセミナーのアンケート結果やメルマガの配信タイミングなどが考慮した設計にし、さまざまなチャネルから安定的にリードを獲得できる仕組みを構築しました。
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2.株式会社日本テレビアートさま|広告予算10万円で毎月100件のリードを創出。顧客に“デザインの力”を届けるまで
テレビ業界全体の市場変化から、事業と収益源の多角化を模索していた日本テレビアートさま。強みである“デザインの力”を活かした新規事業を立ち上げるため、新しいお客さまとの接点の創出と販路の拡大を株式会社Sells upが支援しました。
支援は大きく2つに分けて行い、フェーズ1は施策を検討する期間として約10ヶ月を割き、どんなサービスを展開していくのか言語化していくことから始めました。まずは日本テレビアートさまが得意としていること、過去に手掛けてきた実績を見直し、そこから新規サービスのフックを見つけていきました。
フェーズ2ではMeta広告(Facebook広告)でリードを獲得していきつつ、並行してサービス資料やLPの作成、長期的な成果が見込めるWebサイトの改修とコンテンツマーケティングの立ち上げを進めました。
特にMeta広告で効率よくリードが獲得できていたため、リード管理をスプレッドシートからHubSpotに移行し、リードのステータス管理だけではなくメールマーケティングにも着手しています。
施策開始直後は、Webや動画、LP、ロゴといったデザイン制作といったサービスを展開していたものの、現在ではもっと上流の工程である企業のCIやブランディングのご相談も少しずつ増えてきており、デザインによる幅広い課題解決サービスに成長しています。
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3.株式会社SmartHRさま|効果的なメール配信、web行動ログの取得が可能に。1年間で約10倍の問い合わせを獲得したMA活用
BtoBアプリストアである「SmartHR Plus」は社内にAccount Engagement(旧 Pardot)の導入経験を持つマーケターがおらず導入初期の設定に悩みを抱えており、Account Engagementの運用効果を最大する専門家として株式会社Sells upが支援しました。
「SmartHR Plus」では多種多様なアプリが提供されており、提供価値・ターゲットとなるお客さまのニーズもさまざまだったものの、アプリごとの業界アプリ自体の市況感や解決できる課題などを調査を実施し、メール文面が1〜2パターンだった状態から、20〜30パターンのメール文面を揃えるとともに、ユーザーのweb行動ログの取得に向けたフォーム作成・設定を進行しました。
並行して、アプリごとにフォームやサンクスメールを作成し、さらにURLも差し替えのたびにページアクションやEngagement Studioの設定変更などを行い、Account Engagementの運用を軌道に乗せました。
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まとめ
BtoBマーケティングには、Web広告やSNS運用、ウェビナーなどのオンライン施策と、セミナーや交通広告などのオフライン施策があります。どの手法にもメリットとデメリットがあるため、理解したうえで施策を選びましょう。
費用はかかりますが、マーケティング支援会社を利用すれば、客観的な視点から様々なサポートを受けられます。この機会に活用を検討してはいかがでしょうか。
リードジェネレーション、MA活用/ナーチャリングをはじめとしたBtoBマーケティングに関するご相談はSells upに
業種や企業規模を問わず、これまで約80社を支援してきたSells upが、貴社が描くゴール/成果に向けたBtoBマーケティングを支援いたします。まずは、貴社の目標/理想の状態やリードジェネレーション/ナーチャリングに関するお悩みをお気軽にお知らせください。